ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 県政情報 > 広報広聴・意見募集 > その他の広報(テレビ・ラジオ・一般情報) > 知事記者会見録 > 知事定例記者会見 令和7年2月25日(火曜日)

本文

知事定例記者会見 令和7年2月25日(火曜日)

更新日:2025年2月25日更新 印刷

知事定例記者会見 令和7年2月25日(火曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  で動画配信しています。

発表事項

  • より早く!より受けやすく! 春季採用試験を新設します!
    ​~3月1日から申込受付スタート! WEBや主要駅でPR動画を放映します!~(人事委員会事務局任用課)

より早く!より受けやすく! 春季採用試験を新設します! [PDFファイル/834KB]

  • 「福岡県こども食堂応援プロジェクト2024」県産食材をこども食堂へ!
    ~たくさんのご支援、ありがとうございました!~(こども未来課)

「福岡県こども食堂応援プロジェクト2024」県産食材をこども食堂へ! [PDFファイル/386KB]

(知事)おはようございます。本日の私からの発表事項は2件です。まず1件目です。もうすぐ3月になり、大学生の就活の時期を迎えます。このたび、県では、大学卒業程度の採用試験に、春季の採用試験を新しく設けることとしました。県庁を受験できる機会をより早くし、より受験しやすくするために、春季の採用試験を新設します。応募は、3月1日から受付をスタートします。

 民間企業の採用活動は、人手不足ということもあり、非常に活発に行われています。しかも早くなっており、これは皆さまもご存知のとおりだと思います。6月上旬ぐらいには民間企業から内々定が出ます。そうすると、今までの県庁の採用試験はその後に行っており、民間の内々定をいただいたという理由で、県の採用試験を受験すらしてもらえないという傾向がありました。我々としても人材確保をしてまいりたいということで、これを打開するため、この春季試験を行い、5月の下旬には合格発表を行います。

 まず、PR動画がありますので、ぜひご覧ください。

 

(PR動画視聴)

 

 2種類の動画をご覧いただきましたが、2月17日からYoutubeやインスタ、Tverで流しており、博多駅など、たくさんの皆さまがお集まりになる場所でも流したいと思っています。ご覧のとおり、若い県職員が出演しています。資料にも「野望を聞かせて」と書いてありますが、県職員となって自分が叶えたい野望(ハート)、ご自身の熱い思いや人生の展望、そして夢を、県職員となって実現しようではないかという呼びかけです。ぜひ県庁を志望してください。県知事になりたいという野望をもって、県庁に入ってきていただくことをぜひお願いしたいと思います。たくさんの皆さまの野望を聞かせていただきたいと思います。

 それから、春季試験の概要についてご説明します。新設する春季試験はタイミング早いというだけではなく、少し内容も変えました。今まで、いわゆる公務員試験対策が必要でした。昔からそうですが、一次試験で行われていた教養試験を民間企業ではすでに採用されているSPI3に変更しています。論理的な思考能力等を問うSPI3を採用し、公務員試験に向けて準備をする負担を減らします。そして、二次試験の面接では、今までの試験官から聞かれてお答えいただくというものではなく、ご自身からプレゼンをしてもらう方法を導入します。自分が最もアピールしたい点を発表してもらいます。

 それから、募集職種は、先ほどスライドにもあったように、2種類。行政職に加えて、技術の土木職も行います。一次試験は4月13日の日曜日です。3月1日から募集をスタートし、17日の月曜日の17時が締切となっています。

 この他にも、県議会でもご質問ございましたが、今、技術職が定員割れをしているという実態があります。技術職の民間企業等職務経験者試験、民間企業のご経験のある、いわゆる社会人採用の試験を技術職においても、初めて行います。募集職種は土木、農業、農業土木、林業、水産、畜産、建築、機械、電気の9職種です。一次試験は、先ほど申しましたようにテストセンター方式のSPI3を採用し、オンラインで全国から受験していただくことができます。申込期間は6月20日から7月11日までです。

 それから、公式LINEアカウントです。採用試験の最新情報を発信しますので、今から就職を考えていらっしゃる方は、ぜひ登録をしていただきたいと思います。

 福岡県は、若手職員がモチベーションを高く活躍できる、年齢や立場に関係なく誰もが自由に意見を出して、仕事をデザインする、そんな取り組みを進めています。知事に就任した令和3年度から、4年になるわけですが、ともかく若手職員のいろんなアイデアや提案、不満等、どんどん聞こうということで、業務改善のアイデアを募集してまいりました。年々取り組みが浸透しており、今年度の提案件数は、何と4,300件以上、過去3年間で、実現することができた件数も5,000件を超えています。中身は、会議や補助金申請のオンライン化や、不要な資料は止める等、多くの業務効率化に繋がっています。若手職員のフレッシュな感覚で、従来から行われてきた業務を見直していただいているところです。

 さらに、自主的に集まった部局横断の若手グループによる県政の「未来への提言」、職員が業務に取り組む中で生まれる「職場改善運動」を進めています。私が直接、職員から説明プレゼンテーションを聞いて、意見交換もしています。スライドの写真がその様子です。中には入ったばかりの入庁1年目の職員から率直な声を聞くこともできました。特に、今回優れたものが、DXツールを使って繁忙期の業務を分散させるという提案がありました。結果、ピーク時の業務量を3分の1に削減する成果がありました。つまり、時間外勤務を大幅に縮減することができたということです。それから、スライドにある右側の写真はICTによる遠隔の業務サポートを行っている写真です。どうしても若手職員はまだまだ現場が不慣れな方が多いです。このICTを使って、離れた職場からベテラン職員が指導し、業務品質を高める、そして若い職員が自信を持って現場でも安心して仕事をしてもらうことができる取り組みに繋がっています。

 それから、今、就職説明会でも、やはり休暇のことをよくお尋ねいただきます。新しく入る職員はもちろん、今いる職員にとっても働きやすい職場を目指し、しっかり休めて、子育てや家事ができる職場づくりを進めています。昨年の4月からは、交代でリフレッシュして、また仕事に取り組むことができるように、10日以上の連続休暇の取得を呼びかけてまいりました。今年度は8割の職員が、この10日以上の連続休暇を取得していただくことができました。

 それから、男性職員の育児休業の取得率は、昨年度75%です。民間企業の平均3割と比較すると非常に高くなっています。もちろん社会全体でこの育児休業の取得率を高めなければならないと思っています。

 このほか、在宅勤務や時差通勤といった柔軟な働き方ができる制度も設けています。

 「野望」を聞かせてと最初申し上げました。県行政の仕事に私も長く携わってまいりましたが、やはり、やりがいがあり、魅力のある仕事だと思います。そういう中で、私が掲げている、世界に挑んで世界から認められるような福岡県にしていこう。そして、年齢や性別、国籍、障がいの有無に関わらず、誰もが輝いて、活躍できる福岡県、ふるさとをこの手で作っていくことができる仕事であると思います。

 ぜひ一緒に福岡県の未来の扉を開いていきましょう。ぜひ福岡県を受験してください、春季試験の応募をお待ちしています。

 

 では、次にまいります。これはお礼です。福岡県こども食堂応援プロジェクト2024を行い、寄附金が、21,437,040円になりました。心からお礼を申し上げます。

 こどもたちを笑顔にしたいという皆さまの温かいお気持ちを県内のこども食堂の皆さまに届けるこのプロジェクト。昨年の5月14日から12月27日まで実施し、ふるさと納税による寄附を募集しました。目標を800万円としていましたが、これを大幅に上回る2,140万円あまりのご寄附をいただくことができました。内訳は、個人版のクラウドファンディングで約795万円、企業版で約1,348万円、合計で2,140万円あまりです。昨年度もこのプロジェクトを行いましたが、昨年度が約1,807万円であり、300万円以上を上回るというご寄附をいただくことができました。本当に多くの皆さまのご支援に対して心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 物価高騰が続く中、こども食堂の皆さまも運営に非常に苦労されています。食材費、光熱費も高いということで、県としてもこういった食材費や光熱費の高騰分については予算を認めていただき、助成を行ってきたところです。さらに、今回こうやって、皆さまから温かいご寄附をいただくことができました。

 皆さまからいただいた寄附金を使わせていただき、福岡県が誇るブランド農産物、「金のめし丸元気つくし」や「はかた地どり」、県内の新鮮な野菜や果物を購入できる商品券を、県内319か所のこども食堂にお届けし、クリスマス会などで食べていただくことができました。

 こども食堂で開催されたクリスマスイベントの様子が届いているのでご覧ください。

 

(動画)「たくさんのお米とお肉をありがとうございました。」

 

(知事)さらに、こどもたちから個別の感想として、「お米とお肉がとてもおいしかった」、「楽しいクリスマスが過ごせた」といった感想も寄せられています。また、こども食堂を運営する皆さまからは、「物価が高くなっている中、とても助かった」、「一つ一つのこうしたご支援が自分たちの活動の励みになる」という感謝の言葉をいただくことができました。

 今、県内のこども食堂の数は、443か所と、我々が調査を開始した平成30年と比較して約5倍に増えています。つまり、「こどもたちに地域での居場所を作ってあげたい」という思いが広がっていると思います。そして、これに賛同して、たくさんのこどもたちを笑顔にしたいという皆さまの気持ちが集まり、昨年度を上回るご寄附につながったものと考えています。支援の輪をさらに大きく広げていくために、来年度もこのプロジェクトを実施することとしています。

 こども食堂は無限の可能性を持ったこどもたちの未来につながる大切な居場所だと思います。これからもそれぞれの地域でこども食堂が安定的に、継続的に活動することができるよう、県としても支援を続けてまいります。

 引き続き、皆さま方のご支援をよろしくお願い申し上げます。

 私からは以上です。

質疑応答

(毎日新聞)春季採用の新設ということで、経験者採用などもあるとは思いますが、これは年に2回採用するということになるわけですか。春季採用だけというわけではなく、新しくつくって、それ以降の採用をまた行うということですか。

(知事)春季の試験を1回増やすということです。

(人事委員会事務局)大卒程度の1類試験は6月に実施しており、これは残した上で新たに春季試験を実施します。この上に、ということになります。

(知事)受験チャンスを増やすということです。

(毎日新聞)例えば、6月の試験と採用の割合や内容の違いなどは、どういうことになるのですか。

(人事委員会事務局)春季試験の採用数は、行政は15人程度、土木は10人程度としています。6月の1類試験の採用予定数はもう少し多くなります。

(知事)通常の試験はもっと数が多いです。

(毎日新聞)通常の試験がメインであることには変わりはないということですか。

(知事)そうです。

(毎日新聞)県庁職員に限らず、人手不足が非常に広がっていると思いますが、どのような魅力を訴えるか、先ほどもお話がありましたが、改めて県庁職員の魅力をお願いしてよろしいですか。

(知事)私も長く、現場も含め県行政に携わらせていただきました。県民の皆さまの生活に直結する、また、部署によっては命や健康に直結する本当に大切な業務を担わせていただきます。そして一生懸命やって、県民の皆さまの生活がよくなったり、安心してたくさんの笑顔で生活していっていただくことができたり、それはもちろん産業の振興や雇用の拡大なども含めてですが、そういう実感を業務の中で得ることができる仕事だと思いますので、すごくやりがいのある仕事だと思っています。

(毎日新聞)今後も継続的な人材確保が必要になっているかと思いますが、例えば、働き方という面ではどういった改革が必要になると考えていらっしゃいますか。

(知事)まず過重労働、これはもう徹底的になくさなければいけないということで、ご存じのように議会対応も含め、議会の皆さまにお願いして時間外を縮減するという取り組みなども行っています。先ほど申し上げましたが、ワーク・ライフ・バランスをしっかり守っていく、この取り組みは重要だと思います。

 また、業務の中においても、職員が快適にストレスなく仕事ができるような職場環境をつくっていく必要があります。庁舎も、古くなって非常に働きづらいケースもあります。そういうのは先ほど申し上げた職場改善運動などで出てきていますので、我々としても働きやすい環境づくりをしっかりやっていきたいと思います。

 それと、やりがいです。若手職員がもっと自由闊達に議論をして言えるという職場を実現できることが職員のやりがいにつながりますので、そういう福岡県庁をつくっていきたいと思います。

 

(毎日新聞)こども食堂について、居場所づくりという面で非常にすばらしいと思いますが、貧困という面で見ると、行政の支援が届かないからこそ広がっている面もあるとは思います。そういった現状について、改めてどう見ていらっしゃるかということと、どのように行政として支援を継続していきたいかを教えてください。

(知事)こどもたち、青少年が抱えている悩みは複雑であり多様化していると思います。そういうことに対してきめ細かく対応し、また保護が必要なこどもたちに対しては、しっかり行政として責任を持って対応していかなければいけないと思います。そういう中で、こども食堂だけではありませんが、色々なNPOの皆さまと取り組んでいただいていることについて感謝を申し上げたいと思いますし、我々としてできる限り支援をこれからも行っていきたいと思います。

 

(朝日新聞)春季の採用の枠が意外と少なかったので、夏をメインにするのは何か理由があるのでしょうか。春季をもう少し受けやすくする計画はあるのでしょうか。

(人事委員会事務局)まだ初めての取り組みですので、今後の状況を見ながら採用数については検討してまいります。

(知事)学生たちの受験する側も、県の採用試験が大体いつ頃にあるとか、そういったスケジュール感があるため、あまり極端に変えてしまうと、かえって迷惑をかけるしマイナスになるので、まずはスタートして、受験される方たちの動きや受け止めを見ながら、バランスは変えていくべきだと思います。

(朝日新聞)県議会の中でも、メンタルヘルスの不調による休職者の数や、民間への転職者の数のパーセントがむしろ増えているということで、育児休業の取得なども進められていると思いますが、民間への人材流出やメンタルヘルスによる危機感や課題意識があれば教えてください。

(知事)民間に転職されることについて、「流出」と表現されました。確かに県庁からすると流出になりますが、ただ自分の人生、ライフスタイルを考えたときに、転職することは当たり前になってきています。それは我々もしっかりと受け入れていかなければいけないと思います。さらに言えば、社会人採用もありますので、一度公務から民間に離れられても、またそこで経験を積んで、先ほどから申し上げている県公務員としての仕事のやりがいを改めて感じていただいて、もう一回公務に戻ってこられるのはどんどん受け入れたいし、歓迎したいと思っています。そういう姿勢は重要ではないかなと思います。

 それと、メンタルヘルスの点も確かに非常に重要な問題です。若手職員のメンタルヘルスの点もありますが、特に係長やチームリーダー等になると責任が重くなります。県でも係長になると、まず座っている机の向きが変わります。非常に責任も感じるし、重圧に感じる方もいます。そして、どう部下を指導していったらいいのか難しいと感じる方もいます。このため、新任係長に対するメンター制度を今年度から作りました。経験者が二人位ついて定期的に話を聞いて指導し、悩みを聞くという制度です。非常に好評で、これがなかったら多分メンタルになっていたという声まであります。

 これは係長レベルですが、若手職員や慣れない仕事をする職員に対しても、職場の中でしっかりと丁寧に指導することや悩みを聞いてあげることが重要だと思います。メンタルになった場合には、専門家もいますので、ためらいなく相談いただきたいと思います。

 

(西日本新聞)先ほど働き方改革のお話の中で働き方、今回、一般質問と代表質問の間で休会日を設けたというお話もありましたが、その成果、どういうメリットがあったのかをお聞かせください。

(知事)本県の場合、本会議の答弁は知事がすべしというのが慣例になっていて、毎回私が代表、一般と通算で約200問ぐらい答弁します。そうすると、あらゆる角度からのご質問、ご提起があるため、やはり勉強会が必要になってきます。これは重要なことです。

 ただ、一番問題だったのは、代表質問、一般質問の間に休会日がないことです。ウイークデーで続く場合は特に。日中は本会議が開催されているため、知事の勉強会はどうしても夜遅くに及ぶということが繰り返されていました。ここに1日調整日を入れていただくと、より業務がならされて、職員も極端な残業をしなくて済むため、議会にお願いをし、議会としても理解をいただいて、今回のようになりました。

 具体的な数値はまだ出せていませんが、おかげで非常にスムーズに準備ができましたので、全庁的にそのための時間外勤務はかなり減らせたと思っています。

 

(毎日新聞)知事選挙について、ようやく対立候補が出てきたかと思いますが、まずそれについて率直な受け止めを教えてください。

(知事)実際に6日にどんな方が立候補されるかというのは、その日にならないと分かりませんが、表明をされている方もいます。しっかりとご主張を私も拝聴したいし、そしてまた、私自身の県に対する思い、県民の皆さまへの思い、そして、政策、こういったものを一人でも多くの方々に届けることができるよう、全力で頑張ってまいりたいと思っています。

(毎日新聞)先日、立候補表明した吉田候補は、記者会見の中で公開討論会をやりたいと呼びかけていらっしゃいました。前回選のとき、知事はたしかスケジュールの都合で公開討論会を行わなかったかと思いますが、今回機会があれば参加するご意思はありますか。

(知事)吉田様がそういう意思を持っておられるというのを先週の記者会見で初めて私もお伺いをしました。まだ、当然出ないなどと申し上げたことはございません。もちろん、色々な会合等予定も入っておりますし、公務もありますので、そこの調整は必要になろうかと思いますが、もし正式にお申出をいたければ、可能な限りお受けできるように調整していきたいと思っています。

 

(KBC)公開討論についてだとオープンの場で意見を出し合うという、それについては、率直にどのように思われますか。

(知事)オープンな場で有権者の皆さまに対して、自らの政策や信条、あるいは県民に対する思い等をお話しさせていただくことができる場のため、非常に良い機会だと思っています。

 

(読売新聞)先週の月曜日に県のケア・トランポリン事業に絡んで元県議が逮捕されたというニュースがあり、逮捕容疑が、県の予算編成に関して県議が便宜を図ったということだったのですが、これに対する受け止めと、予算編成でそういった議員が口利きだったりをすることがそもそもあるのか、その辺をお伺いしてもいいですか。

(知事)予算編成について、議員が直接圧力をかけることはあってはならないと思いますし、また、ないと思います。もちろん、県議会、先ほどの代表、一般だけでなく、あらゆる委員会審議、特別調査委員会等々の活動をされている中で色々なご質疑やご指摘、ご提起、ご提案があらゆる会派、議員の皆さまからあります。県民の皆さまに最も身近な立場にいる各地域の議員の皆さまからのそういうご提起は、我々にとっても一つの気づきであると受け止め、大切にしなければいけないと思っています。

 ただ、それが別に圧力とは思っていませんし、我々としても、そのようなご提起があれば、それについて研究、検討し、そして、県として取り組むべきことなのかどうかということを十分考えてやっていくことになると思っています。

 今回の事案について、まず、元県議会議員が逮捕されたということで非常に驚きました。しかも、それが県民の皆さま、特に高齢者の皆さまの介護予防につながるような健康づくりの取り組みについて不正行為が行われたことが事実であるとすれば大変遺憾に思っています。我々としても、今後、全容解明に向けた警察の捜査に全面的に協力をしてまいります。既に色々協力はしています。

 このケア・トランポリン事業は、私も過去の経緯を少し調べてみましたが、まず、元県議の方は平成30年6月の議会で、介護予防事業についての質疑をされています。これが、まずケア・トランポリンにつながる最初のお話だったようです。その後、具体的な紹介があったと報告を受けています。ただ、当該担当部局としてもそれで直ちに事業化を図ったわけではなく、当時、県民の皆さまの健康づくりのために運動習慣を定着する必要がありました。これは今もそうですが、みんな毎日少し運動したほうがいいということです。そのような中で、身体機能や体力に応じて楽しみながら取り組める具体的な運動メニューを県民の皆さまにお示ししていくべきだという課題があり、ケア・トランポリンはこれにふさわしい運動であると判断しました。

 効果についてもバランス機能の向上や腰痛、膝痛の軽減といった効果があるという医学博士のご意見、また、既に、ケア・トランポリンを実施していた田川市や中間市でも医療費抑制の効果が認められたという報告もありました。このことを踏まえて、このケア・トランポリン事業を実施することにしたという経緯です。

(読売新聞)効果があって、こういうふうに取り入れたということですが、今回、補助金が10分の10、100%県の補助金で教室を開催できるという、実質はケア・トランポリン協会、窓口はそこの一つしかないというある意味、独占的な事業でも補助金は10分の10交付されてきたという。こういったことって、ほかにもあるんですか。補助金が100%出るという事例があり得るのか。

(知事)10分の10というか、県が全額を負担して色々普及を図る補助金、県の委託事業等色々あるわけですが、そういうケースは他にもあります。このケースで言うと、県は、「ふくおか健康づくり県民運動」をずっと取り組んでいますが、これを推進するために、まず市町村がスタートを切ると言いますか、取り組みを知っていただくことがしやすいように補助率を10分の10ということでスタートして、モデル的な事業をやっていったということです。

 運動習慣の定着に向けては、ケア・トランポリン以外にもスロージョギングとウオーキングの2つの取り組みをやっており、この教室開催経費についても補助率は10分の10でやっています。

 それから、健康づくりから少し離れますが、徘回をされて行方不明になってしまう可能性がある認知症の方、この認知症高齢者等のSOSネットワーク事業も10分の10で市町村にお願いしています。また、とびうめネットを利用した救急医療のDXの推進事業も10分の10でやっており、全額県で補助をする事業というのは、その目的に合わせて色々あるとご理解いただければと思います。

 

(西日本新聞)関連でお聞きします。今、知事からこの事業の意義、やった効果について言及があったと思いますが、とはいえ、この県の事業を舞台に贈収賄の容疑がかかった事件に発展しているということで、この事業の正当性や公平性、そういったところを知事はどういうふうにお考えになっているのか。それと、今後この事業をどうしていくのか、そこのお考えをお聞かせください。

(知事)先ほどもお話あったように、このケア・トランポリンは、日本ケア・トランポリン協会が色々取り組んでおられて、国際特許を持っています。そういうこともあり、日本ケア・トランポリン協会に、インストラクターの派遣等を含めて事業を組んでいます。今後については、もう少しこの事件の全容を見る必要もあると思いますし、また、それを踏まえて事業の在り方について考えていかなければいけないと思います。それと、もう一度、他にこういったことを担当できるところはないのかということも考える必要があります。我々は今年の予算から、モデル事業としての役割は果たしたため、市町村で自主事業としてやっていただくようにということで予算も4割カットし、やり方も変えてきているところです。他の協会等がもしあれば、市町村の皆さまが取り組みやすいように紹介もしていくべきだと思います。

 それと、今、実際にこのケア・トランポリンを利用されている方もおり、結構好評です。市町村の皆さまや、利用されている地域の皆さまのお声というものも我々もですが市町村においても受け止めていただいて、判断をいただかなければいけないと思っています。

 

(西日本新聞)別件でもう1点。西の都についてですが、文化庁が日本遺産としての認定を取り消して、候補地域に格下げしました。先週、県庁で、副知事、教育長、副市長で意見交換会がありました。ただ、文化財保護課は今後のこの協議について未定としていますが、再申請するかどうかも含めた今後の方向性を決める上で、関係者の中には知事のリーダーシップに期待する声もあります。どのような形で、どういった日程感で合意形成を図っていくお考えなのか、知事のお考えをお聞かせください。

(知事)西の都は構成市町村が多数あるため、まずその皆さま方の考え、意思というのを尊重する必要があります。しかし、意見をまとめていかなければいけません。今回の指摘も、遺産、史跡、資産と資産の間の人の循環、周遊がなかなか図られてないという指摘のため、再申請するにしても、その辺の自治体間の連携、協力、取り組みというのが重要になってきます。このようなことを考えても、やはり市町村の皆さまの意思は尊重しなければいけません。しかし、それをやはりまとめる必要もあります。そういうことから、今、リーダーシップと言われましたが、私としても、早急に各首長さんにおいてもこのことについて考えていただき、考えをまとめていただく必要があると思い、先般、早速、副市長、副町長等にお集まりいただき、意見交換会を開催しました。そこで正確な情報共有と率直な現段階での意見をお聞きしました。

 今、申しましたように、今後、色々取り組みをするに当たっては徒手空拳ではできないものも多いわけです。やはり予算措置を必要とするものもあります。例えば、遊歩道を造るとなれば結構なお金がかかります。看板一つ立てるにしてもお金が要るわけです。その辺のことを各市町村の住民の皆さまにもご理解をいただかなければいけません。こういうことを含めて考えていただき、その上で、再申請をするかどうかということも含めて今後の方向性を決めていきたいと思っています。

 

(読売新聞)西方沖地震に関連した質問をします。来月20日で発生から20年になりますが、改めて20年となるに当たっての受け止めをまず伺えれば。

(知事)3月20日、思い起こしますと、あの日、私もお休みの日でした。家族を乗せて、車を運転していました。そしたら、交差点で止まっているときに揺れまして、あ、地震だというので驚きました。すぐ県庁の全職員に緊急招集がかけられまして、直ちに県庁に向かったという記憶があります。県庁に来てみると、キャビネットが倒れていました。まだあの頃はキャビネットの防振対策があまりなかったため、結構倒れていて、これが平日だったら、そこで仕事をしていた職員はけがをしていただろうなとか色々思った記憶があります。それが20年前でした。

 そして、去年の元旦は能登半島地震、今年1月には日向灘の地震。台風と違ってタイムラインが組めません。地震というのは突然襲ってくる。本当に予測が非常に困難な自然災害であり、それだけに、今、キャビネットのお話もしましたけど、日頃からの防災対策、減災対策が必要だと強く思っています。

 一つは、そのような色々なハード面の整備はもちろんですが、自助・共助・公助、やはり県民の皆さま一人一人が、万が一そういうことがあったときにどう行動すればいいのか、また、そのときに自分が避難をしたりするときのための備えを日頃からどうしておくのかをしっかり考えておく必要があります。このために我々も防災フェアを開催したり、防災アプリ「ふくおか防災ナビ・まもるくん」を配信しています。万一、地震が発生した場合には、アプリで地震の震度、警報の発令情報などが確認できます。また、防災関係の資機材、備蓄品を県庁ロビーで展示することで、日頃からの意識を高めていただき、実際に自分のできる備えをしておいていただくということが重要だと思います。

 それと、地域の自主防災組織です。共助という点では、避難時に要支援者の方もいらっしゃいます。こういう方々のためにも、やはり地域の自主防災組織の力を強めていくリーダーの研修なども行っているところです。

 公助という点では、県自体の備えや自治体間の連携、それから、企業・団体の皆さまとも防災時の連携協定を結んでいます。やはりそのときに必要なものを全部現物で備えておくことはできないため、流通備蓄という形で協力をしていただく等色々なことが必要になります。改めて、20年という節目に当たって、こういう備えも我々自治体としてしっかりやっておかないけないと本当に実感しています。

(読売新聞)関連して、まもるくんの話に今少し触れていただいたと思いますが、なかなかインストール、利用している方の数がもう少し伸びていったらいいのかなとも思います。改めて、現状少し伸びてないところの受け止めというのと、県としてどのように普及していきたいかという意気込みと呼びかけというのを伺えればと思います。

(知事)先ほど申しましたように、この防災ナビ・まもるくんというアプリケーションは非常に役に立つものだと思います。実際に自分が色々なところでその場面に遭遇するわけですから、そのときに最寄りの避難所の状況がすぐ分かります。昨年11月には、水道水やトイレ、道路情報を提供する「徒歩帰宅者支援ステーション」をマップ上に表示する機能を追加しました。また、県内の「震度予測マップ」や「液状化予測マップ」を表示する機能や大雨災害も多いため、県内の河川の氾濫状況をカメラの映像でリアルタイム表示する機能を追加する予定です。どんどん防災ナビ・まもるくんの機能を充実していきたいと思います。

 今22万人の方にこのアプリを登録していただいています。ただ、福岡県は500万の県民がいらっしゃいます。22万人で良いとは決して思いません。やはり色々な組織を通じて、例えば、学校においても、学校の先生からもアプリを入れときなさいよと一言声をかけていただきたいと思うし、特に防災に関わる消防団や警察官といった皆さまにはぜひ必ず入れておいていただきたいと思います。そのようなことを通じて、もっともっと県民の皆さまにこのアプリの有効性もお知らせし、登録者数を増やしていきたいと思います。西方沖地震20年という節目でもありますので、この機にまたしっかり取り組みたいと思います。

 

(時事通信社)村上総務大臣が、今月、今後の人口減を踏まえて全国の市町村の300~400市で足りるというようなご発言をされていて、最悪、県庁も要らないというような発言をされていますが、長年県庁で働かれていた身としてお考えがあればお聞かせください。

(知事)県庁というか、県というものに対する愛情は誰にも負けず持っているつもりです。

 村上大臣には私も何回かお目にかかったことがありますが、非常に地方自治のこと、自治体のことをしっかり考えていただいている方だと思っています。今後の地方自治の在り方を考える上で、人口が減少していく中での一つの個人的なお考えを述べたと思いますし、また、人口減少というものに対する危惧、心配をこういう形でおっしゃったんだろうと思います。しかも75年先の話のため、今、大臣の発言を取り上げてどうのこうのと言うつもりはありません。むしろ、ここで大臣がお示しになった憂慮といいますか、危惧、人口減少に伴う地方の疲弊、一極集中の問題を我々はしっかりと真正面から受け止めて、対策を取っていかなければいけないと思います。そういうことでこの発言は受け止めさせていただいています。

(終了)

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)