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福岡県労働委員会委員コラム 第18回
第18回
「労働委員会を知っていただきたい」
使用者委員 丸山 武子
2023年11月27日に私が労働委員会の使用者委員を拝命してから、一年二ヶ月が経過致しました。この一年間で労働委員会の活動に関する事、また数件の事案を経験し感じたことの2点について述べさせていただきます。
1.労働委員会の活動について 私自身、委員に就任する前は労働委員会の活動に関して詳しく知りませんでした。 (1) 公益委員7名・・・大学教授、弁護士などの有識者 (2) 労働者委員7名・・・組合役員など (3) 使用者委員7名・・・会社役員など この三者構成になっています。それに、県の職員の方々が事務局として『調整』と『審査』に強力なサポートをされています。 特に中小企業であれば自社の労働組合は無い企業が大多数だと思います。労働者側と企業側でトラブルが発生した場合、裁判で争うとなると労働者にとってはハードルが高く、また企業側もいきなり裁判となると時間も労力も奪われます。企業や労働者にとっても公正公平にきちんと話し合いの場を設けることができて早期解決を目指せる場として労働委員会は活動しています。そして、我々委員もそれぞれの委員の立場での経験を活かし、三者間で話し合い公平に事案の解決に導く努力を行います。 このような組織の存在が広く周知されれば企業、労働者にとって早期解決のメリットになると、この一年経験したことで強く感じています。
2.地道な対話と就業規則等の法令遵守 (1)地道な対話の必要性 企業側と労働者側でボタンの掛け違いから申し立てに至っているようなケースもあります。多忙な中で従業員との対話は非常に手間がかかることだと思います。しかし、この対話が非常に重要であり、従業員の悩みや不満の解消や把握、そしてモチベーション向上には必要な事だと考えます。是非とも定期的な従業員との対話、面談をされてみては如何でしょう。 (2)就業規則等の法令遵守 働き方改革関連法が施行され六年が経過しようとしており、関連して毎年のように法令も改正されています。自社の就業規則などが法令遵守しているか内容の確認を行ってみて下さい。 知らず知らずのうちに労働者に不利益を与えている場合もありますので、是非とも点検されることをお勧めいたします。 以上、私がこの一年間委員を経験し感じたことを述べさせていただきました。 今年は一年生から二年生になりますが、福岡県民の皆様のお役に立てるように精進したいと考えております。 |