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(一般の利用者むけ)ふくおかの水環境
福岡県の水環境
福岡県は、筑前海、瀬戸内海、有明海と、三方を個性ある海に囲まれています。県内には遠賀川、筑後川、矢部川などの大規模河川が貫流し、また、多くの中小河川が流れています。総貯水量1千万立方メートルを超える大規模湖沼については、天然湖はないものの、9か所の人工湖(ダム湖)を有しています。
一方、水資源に恵まれない福岡県では、森林の水源涵養機能や雨水の地下浸透、河川の水質保全等をとおして、健全な水循環を確保することが特に重要です。
県では、工場や事業場の立入検査等により、排水の水質監視や地下水汚染防止のための指導を行っているほか、河川や海、地下水を定期的に測定しています。
加えて、生活排水や水生生物に係る啓発資材の作成・配付や児童生徒への環境教育など、水辺環境保全への意識を高めるための取組を推進しており、こうした取組を通じて、流域の特性に応じた水環境の保全に努めています。
【掲載内容】
1 水質のうつりかわり・水質汚濁の状況
2 地下水について
3 測定結果(詳細データ)
4 海水浴場の水質について
5 水辺の生き物
6 福岡県環境審議会(水質部会・公害防止事業費負担部会)
【1】水質のうつりかわり・水質汚濁の状況
(1)県全体でみる水質のうつりかわり
福岡県内の公共用水域(注記1参照)には、水域ごとに、それぞれの特性に応じた環境基準(注記2参照)が設けられています。
環境基準のうち、水質汚濁の主要な指標であるBOD及びCOD(注記3参照)の環境基準達成率は、平成の始めの頃と比べると徐々に改善し令和4年度は68.9%となっています。
注記1 公共用水域とは、水質汚濁防止法では、終末処理場を設置する公共下水道及び流域下
水道以外の公共の用に供される水路、水域を指します。すなわち、河川、海域、湖沼等をいいます。
注記2 環境基準とは、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準として、環境基本法に基づき国が定めたものです。
注記3 BODとは、「生物化学的酸素要求量」のことで、水中の有機物などを微生物が分解するときに消費する酸素量です。
河川や工場排水の汚濁の程度を表す指標として用いられ、その値が大きい程、水質汚濁が進行しています。
CODとは、「化学的酸素要求量」のことで、水中の有機物などを酸化剤で酸化するときに消費する酸素量です。
海域や湖沼などの汚濁の程度を表す指標として用いられ、その値が高いほど、水質汚濁が進行しています。
福岡県内の公共用水域における環境基準の目標レベル(類型)や、水質汚濁に関して国が定めた環境基準値については、「水質環境基準値類型指定、公共用水域・地下水環境基準値表」をご覧ください。
(2)水域ごとの水質の状況(令和4年度測定結果)
ここでは、水質の状況を、水域に分けて掲載しています。
- 県内主要水域の水質汚濁概況図 令和4年度 BOD、COD75%値(注記4参照)
- 注記4 75%値とは、特定データを値が小さいものから順に並べ、データの75%目に当たる値であり、データが12個あれば、値の小さいものから9番目のデータが75%値となります。
河川のBOD、海域及び湖沼のCODは、この75%値が環境基準値以下の場合に、環境基準を達成していると判断されます。
- ダムと海域における、水域ごとの水質のうつりかわり(COD75%値平均(単位:mg/Lミリグラムパーリットル))
- 河川における、水域ごとの水質のうつりかわり(BOD75%値平均(単位:mg/Lミリグラムパーリットル))
【2】地下水について
県では、毎年、県内の地下水の環境状況を把握するための調査を行い、その結果を公表しています。
令和6年度は、県内20地点の水質を測定し、その結果、1本の井戸で「砒素(ひそ)」及び「ふっ素」が、1本の井戸で「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」が環境基準を超えて検出されました。基準超過の原因については、県公害専門委員の意見を踏まえ、「砒素(ひそ)」及び「ふっ素」は自然由来によるものと考えられ、「硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素」は施肥の影響等が原因と考えられます。その他の地点では、すべての項目が環境基準等に適合していました。
これまでの県南地域(県南部の筑後生活圏)における地下水からの砒素の検出(自然的要因(地質由来))については、以下のリンクをご覧ください。
【3】測定結果(詳細データ)
福岡県が毎年策定している水質測定計画に基づいて測定された、公共用水域及び地下水の測定結果を、年度ごとに取りまとめて掲載しています。
【4】海水浴場の水質について
福岡県では、みなさんが海水浴場を利用される際の参考にしていただくため、県内で多くの方に利用されている水浴場の水質を、毎年、海開きの前後に測定し、その結果を公表しています。
測定する4項目のうち、測定結果の平均が、1つでも判定基準の「不適」に該当する場合は、その水浴場を「不適」と判断するほか、測定結果により「AA」「A」「B」「C」のいずれに該当するかを判定します。判定基準や測定結果の詳細等は、次のリンクをご覧ください。
なお、令和5年度に県内で「不適」と判定された水浴場はありませんでした。
【令和6年度 測定結果】
令和6年度海水浴場水質調査結果(遊泳期間前) [PDFファイル/573KB]
令和6年度海水浴場水質調査結果(遊泳期間中) [PDFファイル/624KB]
【令和5年度 測定結果】
令和5年度海水浴場水質調査結果(遊泳期間前) [PDFファイル/574KB]
令和5年度海水浴場水質調査結果(遊泳期間中) [PDFファイル/624KB]
【令和4年度 測定結果】
【5】水辺の生き物
身近な川や池などの水辺環境を保全していくためには、行政・地域・学校・NPOなどの各活動主体が協力しながら、水辺での環境教育や水辺環境の保全につながる取組を県内各地に広げていく必要があります。
福岡県では、県内各地で実施されている水辺環境保全活動を支援するため、「川の生き物観察ガイドブック」(新しいウインドウで開きます)や「「水辺に学ぶ ふくおか水辺の保全活動プログラム」などの資料を作成しているほか、生活排水について知っていただくため、「エコクッキングブック」や「生活排水を考える?」といったパンフレットを作成、配付しています。
また、毎年6~9月にかけて国が募集している全国水生生物調査への協力として、参加者の応募募集を呼び掛けています。どなたでも参加可能で、県のホームページからもお申し込みいただけます。興味のある方は是非ご参加ください。
令和6年度全国水生生物調査について(募集終了しました)
【6】福岡県環境審議会(水質部会・公害防止事業費負担部会)
福岡県で設置している環境審議会では、専門的な事案を検討するための部会を設け、具体的な審議を行っています。
以下には、これまでに審議された内容を、過去5年間分掲載しています。
水質部会・公害防止事業費負担部会の審議結果はこちら