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福岡県食品の安全・安心の確保に関する条例
県民の健康の保護を最優先に、「生産から販売に至る」一貫した食品の安全・安心確保対策を推進していきます
食品は、人の生命と健康を維持する上で、日々摂取することが欠かせないものであり、その安全性が確保されることは、県民が安心して生活を営む上で極めて重要です。
福岡県では、食品の安全・安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、県民が健康で安全・安心に暮らすことができる社会の実現に寄与するため、「福岡県食品の安全・安心の確保に関する条例」を制定しています。
条例の概要
第1章 総則(第1条~第7条)
目的(第1条)
- 基本理念を定め、県及び食品関連事業者の責務と県民の役割を明らかにすること。
- 食品の安全・安心の確保のための施策を総合的かつ計画的に推進し、食品の安全・安心を確保すること。
- 県民が健康で安全・安心に暮らすことができる社会の実現に寄与すること。
基本理念(第3条)
食品の安全・安心の確保に関し、4つの基本理念を定めています。
- 県民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に必要な措置が講じられること。
- 農林水産物の生産から食品の販売に至る一連の食品供給行程の各段階において適切に必要な措置が講じられること。
- 食品を摂取することによる県民の健康への悪影響を未然に防止する観点から、科学的知見に基づき、必要な措置が講じられること。
- 県、食品関連事業者及び県民が、それぞれの責務及び役割を認識し、相互理解を深め、連携協力を図りつつ行われること。
県及び食品関連事業者の責務並びに県民の役割(第4条~第6条)
県及び食品関連事業者の責務や県民の役割を明らかにしています。
県の責務(第4条)
- 食品の安全・安心の確保に関する施策を総合的に策定し、計画的に実施する責務を有する。
食品関連事業者の責務(第5条)
- 自らが食品の安全・安心の確保について第一義的責任を有していることを認識し、必要な措置を適切に講ずる責務を有する。
- 自らの事業活動に係る食品、生産資材に関する正確かつ適切な情報の提供に努めなければならない。
- 県が実施する食品の安全・安心の確保に関する施策に協力するよう努めなければならない。
県民の役割(第6条)
- 食品の安全・安心の確保に関する知識と理解を深めるよう努めるものとする。
- 県が実施する食品の安全・安心の確保に関する施策に協力するとともに、意見を表明するよう努めるものとする。
第2章 食品の安全・安心の確保に関する基本的施策(第8条~第20条)
第1節 食品の安全・安心の確保のための県の施策(第8条~第15条)
食品供給行程の各段階における監視、指導等(第8条)
県は、食品供給行程の各段階において、食品関連事業者に対し、監視、指導、検査等を行います。
食品の適正な表示の推進(第9条)
県は、食品の表示が適正に実施されるよう、食品表示の関係法令に基づき、監視、指導等を行います。
危機管理体制の整備(第10条)
県は、食品による重大な健康被害など、緊急事態への対処や発生防止のための体制を整備します。
関係機関との連携(第11条)
県は、食品の安全・安心の確保に関する施策が円滑・適切に実施されるよう、国、他の都道府県、市町村及び関係団体などとの連携に努めます。
調査研究の推進(第12条)
県は、食品の安全・安心の確保に関する施策が科学的知見に基づき実施されるよう、調査研究を推進します。
人材の育成(第13条)
県は、食品の安全・安心の確保に関する実践的・専門的な人材の育成に努めます。
情報及び意見の交換の促進(第14条)
県は、食品関連事業者、県民その他の関係者間の相互理解を促進するため、情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進を図ります。
普及及び啓発(第15条)
県は、食品関連事業者、県民に食品等の安全・安心に関する知識の普及・啓発を図ります。
第2節 食品関連事業者の自主的な取組の促進(第16条・第17条)
食品関連事業者の自主的な安全・安心の確保の取組の促進(第16条)
- 食品関連事業者は、その安全性を向上させるため、自らが行う生産、製造、加工等の各工程において管理水準の自主的な向上に努めるものとする。
- 県は、食品関連事業者の生産段階における安全・安心の確保に関する自主的な取組を促進するため、生産に係る工程の管理に関する手法(※1)の普及を図ります。
※1 GAP(農業生産工程管理)など
GAPとは、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検、評価などを行うことによる持続的な改善活動を言います。
- 県は、食品関連事業者の製造又は加工段階における安全・安心の確保に関する自主的な取組を促進するため、食品の製造又は加工の工程における高度な衛生管理の方法(※2)の導入に関する情報の提供、助言等を行います。
※2 HACCP(危害要因分析重要管理点)など
HACCPとは、原材料の受入から最終製品までの各工程ごとに、微生物による汚染などの危害要因を分析し、特に重要な工程を持続的に監視・記録するシステムのこと。
自主回収の報告(第17条)
- 特定事業者が人の健康への悪影響を未然に防止する観点から、報告が必要と認められる食品等の自主回収に着手したとき及び終了したときに、その食品等の情報を県に報告する制度を規定します。
- 県がその情報を広く県民に公表することにより、不良食品の回収を促進し、食品等による県民の健康への悪影響の未然防止を図ります。
食品等の自主回収報告制度の手引き [PDFファイル/1.5MB]
※詳しくは、下記の「食品等の自主回収報告制度」をご覧ください。
第3節 県民の参加(第18条)
施策の提案(第18条)
- 県民は、県が行う食品の安全・安心の確保に関する施策について提案することができます。
- 県は、提案が行われたときは、必要な検討を行い、提案者に見解を明らかにするとともに、公表します。
食品の安全・安心の確保に関する施策提案書 [Wordファイル/51KB]
食品の安全・安心の確保に関する施策提案書 [PDFファイル/96KB]
第3章 施策の推進体制等(第19条・第20条)
推進体制の整備(第19条)
県は、食品の安全・安心の確保に関する施策を総合的に推進するために必要な体制を整備します。
基本計画(第20条)
- 県は、第2章の「食品の安全・安心の確保に関する基本的施策」の総合的かつ計画的な推進を図るため、基本計画を策定します。
- 基本計画を策定したときは、速やかに公表します。
第4章 福岡県食品安全・安心委員会(第21条)
福岡県食品安全・安心委員会(第21条)
県に福岡県食品安全・安心委員会を設置し、基本計画、食品の安全・安心に関する重要事項について、調査審議します。