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2018年度奨学生レポート
2018年冬
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
1月1日、入寮の手続きと引っ越しに覆われながら2019年を迎えた。2日にオリエンテーション、3日には授業開始と、日本のお正月文化を全く感じられない新年のスタートに早速カルチャーショックを経験した。このレポートでは、初めてのセントラル・ワシントン大学(CWU)での生活で感じた4つのことを伝えたい。
まず1つ目は、履修登録の難しさだ。大学内の留学アドバイザーや専門学部のアドバイザーと相談しながら、単位数、教授、授業の難易度、授業時間、授業が行われる建物の位置などすべてのことを考慮しながら自分のスケジュールを組んだ。しかしCWU初めての学期は、すべてのクラスを自分で調べあげ、一般教養クラス、専攻必須クラス、そして留学生必須クラスを組み合わせたスケジュールを組むことに大変苦戦した。同時に、自分でどのくらいの難易度のクラス、または何単位のクラスを、どの授業と組み合わせてこれから学んでいくかを考えることで、自分が本当に学びたいことは何かを再確認でき、タイムマネジメントスキルに磨きをかけることもできた。
2つ目は、寮生活の楽しさだ。レンガ造りのレトロな雰囲気の寮内にある2人部屋。どんな人とどんな寮生活が待っているかを考えると期待と不安でいっぱいだった。しかし、初めてルームメイトに会った時、明るく笑顔で声をかけてくれたことで少しだけ安心できた。日々一緒に時間を過ごしていくうちに、沢山の共通点を見つけることができたり、近くの部屋に住んでる友達を紹介してくれたり、風邪をひいたときにお互い面倒を見合ったりと、とても良い関係を気付くことができた。学期の終わり頃には寮内の友達も増え、みんなで雪合戦をしたり、一緒にブランチを食べたりと、とても楽しく充実した毎日を過ごした。
そして3つ目は、英語力の成長の違いだ。私はCWUに来る前にべレビューカレッジという短期大学で、3学期ほど留学生向けの英語の授業をメインに勉強していたが、その大学は他の日本人やアジア出身の留学生も多く、あまりネイティブの生徒と接する機会がなかった。しかし、CWUに編入して以来、日本語を話す機会が全くと言えるほど無くなり、正式な授業や寮生活、お昼ご飯など、ネイティブの友達ばかりと過ごす時間が増えたため、スピーキング力とリスニング力が自分でも驚くほど伸びた。学期末には、今まで経験したことのなかった英語で夢を見るほどまで成長した。都心に近い大学や日本人に人気な大学に入学すると、どうしても日本語を話す機会が増えてしまうため、これからアメリカ大学への進学を考えている方には、すこし都心から離れた大学かつ自分の学びたいことが学べる大学をおすすめしたい。
最後の4つ目は、何事にもチャレンジすることの大切さだ。学期の中頃、専門学部のアドバイザーと将来のキャリアについて話していたところ、スポーツマネジメントに関する職業には経験がとても大事である為、学校内のジムで働き、経験を積むようアドバイスを受けた。だが、CWU生活初めての学期に、ほぼ白人しかいない場所でアルバイトが出来る自信など全くなかった。それでも、まずはチャレンジしてみようと決め、説明会から始まり最終ステップの面接試験へと足を進めた。人生初めてのスーツ、また人生で初めて英語を使った仕事関係の面接。緊張の一言しか当時の気持ちを表すことができないが、自分の精一杯を出し切った。結果、一切自信のなかった面接試験に合格することができ、これからのキャリアに向けた最初の一歩を踏み出すことができた。だから、どれだけ自分に自信がなくても、自分が将来やりたいことに向けて歩みを進める為、最初から諦めるのではなく、何事もチャレンジしてみることの重大性を学んだ。失敗を恐れてなにもしないでいるよりも、失敗してもいいからとにかく試してみる方が経験につながり、失敗してもその失敗から学び、成長できると実感した。
友人と一緒に
2019年春
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
セントラルワシントン大学2学期目。今学期は、アルバイトに挑戦したり、初めてアメリカでボランティアを経験をしたりと、たくさんのことに一歩踏み出せた学期となった。また、この学期は大学一年生終了の学期でもあったため、今までの新鮮かつ楽しい寮生活も終わりを迎え、学寮においても最初の締めくくり学期となった。
人生で初めて挑戦したアルバイト。前学期末に、専門学のアドバイザーのすすめで、大学内のスポーツジムでのアルバイトする資格を取っていた私は、どきどきしながら最初のミーティングに参加した。4時間ものトレーニングから始まりジムで働くうえで必要なスキルや知識を学んだあと、2時間のオリエンテーションで同じポジションで働く生徒たちとの交流を楽しみながら、詳しい仕事内容やルールを教わった。さらに、別日ではあったが6時間のCPR(心肺蘇生法)のトレーニングとテストが必須であったため、初めの週はとにかく学んだことやルールを覚えることにかなり苦戦した。だが、少しずつ時間が経つうちに、機材の名前や小道具の名前にも慣れ、上司とのコミュニケーションもうまくとれるようになった。そしてスポーツジムがどのように経営されているかやどんな役割を持つ人が働いているか、また人々がスポーツジムに何を求めているのかや、その要求に施設側がどのように対応しているかが、この経験から感じ取ることができた。将来の夢実現に大きくつながる貴重な経験ができたことに感謝して、これからも様々なことを吸収していきたいと思う。
そして、アメリカに行きて初体験となった、陸上競技の一種、走り高跳びのボランティア。中学と高校でこの種目を専門としてきたため、アメリカの走り高跳びの試合がどういったものなのか、また日本で経験した陸上の試合との違いは何かなど、とても興味深く思えた。具体的なボランティア内容も伝えられることはなく、少し不安を抱えたままボランティアに参加したが、日本の陸上試合は各出場学校の部員が役割を分担してその試合をサポートするのが一般的である反面、アメリカではそのような決まりはなく、ボランティアとしてスポーツに関する学問を専攻している生徒やその他のボランティアに協力的な人々を集め、彼らが試合を支えているという気付きを得たため、考え方の違いと文化の違いを実感することができた。
最後に、今学期でが最後となった寮生活。振り返ってみれば、寮生活は友達作りに最適であり、予想を上回るほどの楽しい生活で満ちていた。アメリカ人のルームメイトや寮の仲間たちと過ごした毎日は、文化的習慣の違いや性格の違いに驚くことも多かったが、誕生日を祝いにみんなとディナーに出かけたり、ただただおしゃべりをしてそのひと時を楽しんだり、みんなで一緒に料理をしたりと、本当にいい思い出ばかりだ。次の学期から、今までの寮生活がなくなってしまうと思うと寂しくなるが、オフキャンパスでの新たな大学生活に期待しつつ、気持ちを入れ替えて新学期を迎えたいと思う。
友人と一緒に
2019年夏
K.Nさん
イタリア テンプル大学ローマ校(芸術学部写真専攻)
ローマには6週間滞在しました。私は学校の寮にアメリカ本校から来た女子徒と暮らして居ました。ローマの第⼀印象は温かみでした。東京のように⾼層ビルは建っておらず、昔ながらの建物が多かったです。しかし、日本と似ている箇所もいくつかありました。例えば、公共交通機関を使えば市内を簡単に回ることができました。思ったほど大きな市ではありませんでした。国民性も皆おおらかで、話すことが好きな国民性です。24時間やっているお店はほとんどなく、スーパーも8時に閉まってしまいます。日本のようにコンビニエンスストアなどに慣れていると、少し不便だなと思いましたが次第に慣れていきました。イタリアは食の都と呼ばれるほど食べ物が美味しかったです。やはりピザやパスタを提供するレストランが多く点在していました。
学校帰りに友達とよくピザを買って、どこのピザが美味しいか食べ比べをしていました。週末にはローマ市内の美術館や教会以外にも、ポンペイ遺跡やナポリ、フィレンツェの美術館にも足を運んでみました。同じイタリアでも、街によって雰囲気や食べ物も違ってくるので、その違いを楽しみました。
イタリアは私にとってとても住みやすく、国民性もおおらかなので皆優しかったです。大きな都市では英語が通じますが、小さな町ではほとんど通じずボディーランゲージを使ってコミュニケーションをとりました。またイタリアを訪れたいと思います。その際はもっとイタリア語が話せるようになりたいです。
2019年秋
K.Nさん
米国 テンプル大学(芸術学部写真専攻)
アメリカに⻑期滞在をするのは2回⽬ですが、以前とは全く違う経験ができました。フィラデルフィアは全⽶で5番⽬に⼈⼝が多い都市です。特に⿊⼈が多く住んでいます。その上中国⼈や韓国⼈、⽇本⼈などもよく⾒かけます。フィラデルフィアは多様な国籍の⼈々が住んでいるので、まさに”Melting Pot-メルティングポット”(⼈種の多様性を表現したもの)という表現が似合う都市だと思いました。5番⽬に⼤きな都市なので、街中も栄えています。寮から街中まで⾏くには地下鉄を利⽤しますが、⽇本とは全く違います。電⾞は10分から20分間隔で到着し、電光掲⽰板もないのであまり到着時間を気にすることはありせん。アメリカ⼈は時間にルーズな⼈が多いようです。⽇本の地下鉄はホームも⾞内も清掃が隅々まで⾏き届いていますが、こちらは殆ど掃除をしている感じがありません。やはり、⽇本の清潔感や交通機関の利便性には敵わないなと思いました。
寮は去年できたばかりで、⼤学まで徒歩で20分のところにあります。近くにはスーパーマーケット、ドラッグストア、映画館、ファストフード店などがあるのでとても便利です。講義がある時は学内のカフェテリアで昼⾷をとります。カフェテリアには様々なファストフード店があり、ハンバーガーやサンドイッチ、ベジタリアン、⽇本⾷の店があります。外にはフードトラックが並んでおり、ムスリムのフードトラックはボリュームもあり値段も⼿頃なのでよく⾷べます。いつもファストフードでは不健康で、⾷費も嵩むので⼣⾷や休⽇は⾃炊を⼼がけています。スーパには醤油、お⽶やアジアンスーパーにはみりんやごま油など⽇本でよく使う調味料が売ってあるので、⾃炊をする時は⽇本⾷を中⼼に作っています。週末は家の掃除をしたり、課題が多いので課題をしたりします。⽉に⼀回ほど、友達を呼んで唐揚げやハンバーグなどの⽇本⾷を振る舞う事もあります。
フィラデルフィアからバスで2時間ほどなので⽇帰りで2回ニューヨークに⾏きました。1回⽬はクリスマスに⾏き、ロックフェラーセンターにある巨⼤なクリスマスツリーを⾒たり、マンハッタンを歩き回り写真散歩をしました。ニューヨークの町並みはクリスマス⼀⾊でとても賑わっていました。2回⽬はブルックリンとソーホ周辺を中⼼に周りました。ブルックリンはマンハッタンより閑静で住みやすそうだと思いました。今回は写真散歩という感じで美術館やギャラリーにはいけなかったので次回は美術館巡りをメインにニューヨークに⾏きたいと思いました。
写真:ロックフェラーのクリスマスツリー
写真:ブルックリン橋
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
セントラルワシントン大学3学期目。アメリカでは新学期にあたる秋学期、新入生数が過去最高に達したことで大学内に新しい食堂や寮が建設された。少しばかり環境の変化を感じながら、いくつかのトラブルとともに、大学2年生として新しい学期がスタートした。学年が上がったことで、授業がより難しくなったことを実感したが、同じ専攻を学ぶ学生とのコネクションが作れたり、感謝祭やクリスマス期間には、学校外でアメリカの文化を体感することができた学期となった。
まず初めにシェアしたい経験は、学期初めのルームメイトとのトラブルだ。前学期いつも一緒にジムに通っていたアメリカ人とポルトガル人の友達と、3人でキャンパス外のアパートに住むことになっていた。そのため、前学期末からアパート先とも契約を交わし、引っ越しもすべて完了し、新しく始まる3人暮らしにわくわくしていた。だが、授業開始2日前、ポルトガル人のルームメイトがアメリカ人の交際相手と破局することを決断し、精神的なストレスのために母国に帰ってしまった。2つあったベッドルームのうちの1つをその友人とシェアすることになっていたため、学期開始そうそう家賃や光熱費を予定の倍払うだけでなく、できるだけ早く新しい引っ越し先を探さなければならなくなった。そして約1ヶ月後、ようやく引っ越し先が見つかった。今回はアパートではなく、一軒家を3人でシェアするというプランだった。ルームメイトは、家主のフルタイムで働くアメリカ人女性と、同じ大学に通う香港出身の留学生。さらに、家主のアメリカ人ルームメイトが猫を12匹飼っているという衝撃の事実を、引っ越し直前に知らされ困惑したが、直にその猫の多さにも慣れ、今では毎日猫カフェにいる気分で日々を過ごしている。写真は、一緒に暮らす一部の猫たち。
また、今学期は、専攻分野のスポーツマネジメントのクラブの一員となったことで、これからの勉強や将来のキャリアにつながる新な一歩を踏み出すことができた。このクラブでは、ミーティングで他の生徒や教授とのネットワークを作ったり、インターンシップやボランティア、実際にプロフェッショナルに働く方々と話をする機会など、スポーツマネジメントに関する重要な情報をシェアしたりするため、多くのチャンスに出会う場となっている。だが、リーダーシップのポジションの募集があったことを知っていたのにも関わらず、”自分にはまだ早い“と言い聞かせ、そのポジションに応募しなかったことが、今学期唯一の悔いとなってしまった。今振り返ってみれば、あっという間に終わってしまうであろう大学生活に、”まだ早い“なんてことは一つもないということに気づいた。”残された短い時間の中で、どれだけのチャンスに挑戦し、そのチャンスを自分のものにするか”をこれからの目標に、より一層努力していきたい。
最後に、アメリカで最も重要なイベント、感謝祭とクリスマスで体感したことをシェアしたいと思う。アメリカでは、毎年11月末に、Thanks giving day(感謝祭)といった日本にはない祝日を祝う習慣がある。感謝祭では、家族や友人と集い、伝統的な食事を楽しみながらお互いの絆を深め合う。さらに、翌月のクリスマスは、この国に住むすべての人々にとってなによりも大切な年間行事。日本でもなじみの深いイベントのひとつであるが、アメリカでは、クリスマスの意味深さや重大さは日本とは比べ物にならないほどであるということを実感した。どれだけ離れていても、たとえ血がつながっていなくても、どれだけ複雑な関係でつながっていても、家族は家族。自分を愛してくれる人、自分が家族の一員であること、そしてなにより、愛を表現する大切さを身に染みて学んだ。これから留学を目指してしる高校生には、英語の習得や単位の獲得が留学目的のすべてではないということを頭の隅で覚えていてほしい。写真は、感謝祭の伝統食、そして“愛”を教えてくれたケンタッキーに住む“家族”。
2019年冬
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
セントラルワシントン大学4学期目。大学2年生2学期目となった今冬学期は、専攻学のスポーツマネジメントに関係した卒業後の進路の視野を広げることができるようなイベントに参加する機会を多く得た。また、今年は私にとって成人の年であったため、シアトルで初めて開催された、日本人留学成人生と日本文化に興味のある成人生を対象とした“成人式”のイベントに参加した。授業の関係で日本の成人式への参加を断念せざるを得なかったが,留学中ならではの新たな経験ができ、新たな気づきを得た。そのため、今回のレポートでは、主に2つのスポーツマネジメントに関するイベントで経験したことと、アメリカの成人式の様子についてシェアしたいと思う。
まず紹介したいのは、イチロー選手の本拠地だったシアトルマリナーズのスタジアムツアーだ。このイベントでは、マリナーズ球団で働くプロのスタッフから直接レクチャーを受けて質問したり、普段立ち入ることのできないスタジアム内の施設、スイートルーム、そして選手のロッカールームやベンチなどを見て回り、その歴史や今後の計画プランなどについて学ぶことができた。さらに、レクチャーを通して実際にマリナーズで働く方々とのコネクションをつくることもできたため、卒業後の視野が一気に広がった。そして最も印象的だったのは、自分の目でイチロー選手がヤンキース時代に実際に使用したロッカーを見ることができたことだ。(写真:左角のロッカー)今回のイベントに参加して、興味のある分野に一歩足を踏み入れてみることで自分の興味や将来やりたいことに少しずつ気づくことができると実感した。そのため、残りの大学生活でもたくさんのことに挑戦していきたい。
次に紹介したい経験は、ワシントン州に隣接するポートランド州で開催されたイベント。このイベントでは、ナイキの本拠となるオフィスとNBA (男子プロバスケットボールリーグ)チームの一つである、ポートランド・トレイルブレイザーズの本拠地を訪ね、スタジアムのツアーとプロスタッフとのミーティングに加え、様々なスポーツ企業が集まるキャリアフォーラムに参加した。合計400人以上がこのキャリアフォーラムに参加したため、実際に話を聞くことができたのは3社だけだったが、シアトルマリナーズのイベントで出会ったスタッフとのコネクションを強めたり、アディダスとナイキのマネージャーと直接会話をしたことで今後の進路に新たな候補をプラスすることもできた。写真はポートランド・トレイルブレイザーズのスタジアムツアーの様子。
最後に、アメリカでの“成人式”の様子について紹介する。1月に今年初めてシアトル付近のコミュニティーカレッジで、留学中の成人生や日本文化に興味を持つ学生を対象とした成人を祝うイベントが行われた。ほとんどの参加者がドレスアップしていたが、日本ほど正式な成人式ではなかったため、振袖を着ている参加者は数人ほどだった。会場は、シアトルマリナーズ在籍中の菊池選手など、海外で活躍するアスリートの方々からのビデオメッセージ、ダンスパフォーマンス、そして成人の証の授与などで盛り上がった。このイベントを通して、さらに日本の文化を客観的に学ぶことができ、一生に一度の特別な思いでをつくることもできた。現在、海外留学を考慮している学生には、このような経験ができるということを留学の利点として覚えておいてほしい。
2020年春
K.Nさん
米国 テンプル大学(芸術学部写真専攻)
春休みが始まる前までは全てが順調でしたが、3月の春休みが終わるとすぐに学校は閉まり、自粛生活が始まりました。街中は混乱し、スーパーには食べ物や保存食、水、生活用品などは棚から全て消え去りました。幸いにも、ルームメートが買い溜めをしていたのでしばらくは困る事はありませんでした。寮のほとんどの学生が実家に戻り、国際学生のみ残りました。自粛前に比べてとても静かになり、以前まで聞こえていた足音や声は全くしなくなりました。窓から外を見ても車はほとんど走っておらず、ホームレスの人のみ歩いているという感じでした。治安はさらに悪くなったような気がしました。自粛中はできるだけ外に出ず、二日に一回ほど気分転換にマスクをつけて外を散歩しました。正体がわからないウイルスや誤った情報が世の中に出回り、私自身混乱し、少し鬱になりました。自粛期間も授業はオンラインで行われていましたがズームでの授業はなれず正直戸惑いました。5月までアメリカに滞在する予定でしたが、状況が悪化した為4月上旬に日本に緊急帰国することになりました。日本に帰国をして2週間は東京のホテルで過ごしましたが、アメリカと比べて多くの人が外をで歩いたり、お店の中で食事をしたりしているのを見て驚きました。アメリカは対応が早かったと思います。
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
セントラルワシントン大学2 年生最後の学期となった今春学期。コロナウイルスの流行により学校のプログラムがオンラインに代わり、春休みが1 週間延長され、最終的には学校自体が完全に閉鎖されるなど、様々な影響を受けた。感染が広まり始めた3月末に前学期が終了し、アルバイト先である学校のジムが夏休み頃にはリオープンする予定だったため、日本へは帰らずワシントン州内に住む親戚の家に滞在した。今回のレポートでは、全オンライン授業、自宅でのワークアウト、アルバイトなし、親戚以外の人と無接触など、今までの生活が180 度変わった自粛生活を通して気づいたことや苦労したこと、自粛期間中に挑戦したことなどについて紹介したいと思う。
春学期半ば頃、私が自粛生活の中で最も考えされられたことは、そばで支えてくれる人々や普段何気に関わる人々の大切さだ。親戚と24 時間一緒に過ごすようになって、料理や掃除、ペットのお世話などの家事を分担してお互いをサポートしあったり、食事をともにしながらおしゃべりをして一緒に笑ったり、高校生のいとこたちと一緒に勉強したりしたことで、そばで支えてくれる人々に対する感謝を身に染みて感じた。そして、前学期まで、毎日当たり前のように会っていた友達やクラスメイト、教授やバイト仲間と直接会って会話をする機会が無くなったことで、彼らの存在や何気ない会話のやりとりがどれほどの重要であるか、またそれらがどれぼど私自身に意味があるのかに気づいた。彼らなしでは自分が成り立たないのだということにも気づいたため、これから周囲へ感謝し尊敬することを忘れないようにしたい。以下の写真は、誕生日に親戚が用意してくれたステーキと庭で勉強した時の様子。
一方、自粛期間に苦労したことも多くあった。最も大変だったのはやはり全オンライン授業だ。これまで、ほぼ毎学期に1 つオンラインのクラスを受けていたため、学期当初は全オンライン授業にそれほど苦労しないだろうと思っていた。しかし、実際に授業がスタートすると同時に1 週間分の課題が各クラスごとに発表され、自分でスケジュールを組んで、レクチャービデオを見て、課題を毎週提出しなければなかった。普段の授業では、ディスカッションやアクティビティ、グループプレゼンテーションなどが成績に大きく影響するが、オンラインでは課題と試験のみで成績が決まったため、各クラスで毎週出される課題の量が3 倍以上に増し、毎日それぞれの課題をこなすのにかなり苦労した。また、グループプレゼンテーションに取り組んだ際、チームメイトとはオンラインコミュニケーションのみが唯一の選択肢だったため、あまり効率よくプレゼンテーションの準備ができなかった。さらに、友達に一切会えなかったことや教授に直接質問ができず授業内容を完全に理解できなかったこと、どこにも外出できなかったことが原因でかなりストレスが溜まったため、良いストレス発散方法をみつけることや感情をコントロールすることも難しく感じた。
最後に、私が自粛期間中に挑戦したことを3つシェアしたいと思う。1 つ目は、家でのワークアウト。自宅待機命令がだされてすぐ、公共のジムがすべてシャットダウンしたことをきっかけに、日本でもおなじみのスポーツアパレル会社であるNIKE が、NIKE Training Program というプロのトレーナーが教える様々なエクササイズプログラムを全員に無料で提供した。いつも通っていた学校のジムが閉鎖されたため、自宅でヨガや全身を使うエクササイズなどのプログラムに参加した。NIKE に所属するプロのトレーナーのプログラムを無料で経験でき、心身ともにポジティブな影響をあたえてくれるため、もし日本でもこのサービスを配信していたらぜひ試してほしい。2 つ目の挑戦は、自分のモーニングルーティーンを作ることだ。きっかけは、長引いた春休みや時間にほぼ時間に決まりのないオンライン授業の毎日を過ごすことで習慣づいたダラダラした生活が嫌になったことだ。自分自身を変えようと思い、成功者たちのモーニングルーティーンをリサーチし、様々な実現可能なアイディアを参考にしてヨガやストレッチを含んだ自分なりのルーティーンを作った。何日かそのルーティーンを試してうまくいかなかった部分を訂正し続けたところ、自分の生活習慣に合ったモーニングルーティーンを見つけることができた。この新しい習慣を身に付けて以降、毎日ポジティブに物事を考えることができたり、さらにやる気やチャレンジ欲が出たりと、とてもハッキリとした良い変化が起きていることを実感している。3 つ目の挑戦は、次の秋学期から始まる学校のアスレチックプログラムの下でのインターンシップに応募したことだ。もともと予定はしていなかったが、目の前に現れた素晴らしい機会を見過ごすわけにはいかず、思い切って応募してみたところ、マーケティング部の一員として1 年間ほど採用されることが決まった。何事も、挑戦してみなければ何が起こるかわからないと思うため、チャレンジみてその職種が好きかどうか、自分に向いているかどうか、またなにか新たなスキルや知識を身に付けられるかどうかを知るためにも、全力でこのチャンスにぶつかっていきたい。来学期もオンライン授業になる可能性もあるが、今学期得た学びや気づき、新たな生活習慣を活かして成長し続けていきたい。
2020年秋
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
セントラルワシントン大学3年生最初の学期となった今秋学期。前春学期に続き、コロナウイルスの影響により学校のプログラムがすべてオンラインとなったが、大学内のジムや大学周辺のレストランがリオープンできたため、少しだけリフレッシングな学期となった。また、学校側がホリデーシーズン後に大学戻ってくる生徒による感染の拡大を阻止するため、今学期を数週間早く終わらせるようスケジュールを変更したことにより、今年は約1ヶ月半の長い冬休みが予定されている。今回のレポートでは、コロナウイルスによる影響や前学期との違い、前学期採用された大学内のアスレチックデパートメントでのマーケティングのインターンシップで学んだこと、また感謝祭やクリスマス直前までのホリデーシーズンをどう過ごしたかを含めた、留学生活の様子をシェアしたいと思う。
まず最初にシェアしたいことは、前春学期と今秋学期に受けたコロナウイルスの影響の違いについて。最も大きな違いは、今学期から学校が対面授業をいくつかオファーするようになったことだ。前学期はコロナウイルスの感染者が増え続ける中、政府の対策命令によって学校自体がシャットダウンしてしまい、大学寮、大学内のジム、教授のオフィスなど、すべてが閉まっていた。しかし今学期は、covid-19の新たなポリシーが適用され、ほぼすべての大学内のデパートメントがリオープンすることができいたため、大学内のジムでアルバイトを再開することができた。コロナウイルスの影響を受けながら働く中で最も大変だったと感じたことは、施設利用者にマスクを着けるよう伝えたり、指定されたエリア内でエクササイズをするよう指導したりと、新たなポリシーを施設利用者に実施することだ。特にアメリカでは、マスクを着ける習慣がないため、ほとんどの利用者がジム内でマスクを正しく使用していなかったり、マスクを外していたりしたため、かなりの注意が必要だった。だが、この経験を通して、公共の場でのスピーキング力や、他者に英語で指導をする勇気、そして自分の英語力に対する自信をさらにつけることができた気がする。
次に、前学期採用が決まった、大学内のアスレチックデパートメントでのマーケティングのインターンシップについて。コロナウイルスの影響で、大学の野球やフットボールなどのシーズンがすべてキャンセルされ、予定されていたスポーツのイベントに関する経験はほぼ得られなかった。だが、毎週水曜日に行われたWildcat Wednesdayというイベントでアスレチックデパートメントの宣伝をしたり、来学期のイベント情報についてオンラインでミーティングをしたり、オフィスでアスリートのために体温計を配布したり、イベントのフライヤーを作成したりと、とても新鮮な経験を得ることができた。このインターンシップを通して、イベントを企画するプロセスや、宣伝方法、またアクティビティのテスト方法について学ぶことができた。また、今学期は、学期のはじめ頃、日本ではなかなか見られない、山火事を人生で初めて目の当たりにした。あまりにも近く、煙の量も想像以上だったため、自然に対する恐怖を覚えた学期でもあった。以下の写真は、Wildcat Wednesdayのイベントで、生徒にイベントのフライヤーとサンドイッチを配布した時の様子と、大学の近くで起きた山火事を目撃した時の様子。
最後に、今年のホリデーシーズンの過ごし方について。今年はコロナウイルスの影響により、ハロウィンやThanksgiving(感謝祭)の時期に親戚の家に帰っていつも通り祝日を祝うことができなかった。しかし、新しいルームメイトに事情を話すと、予定を変更して大学のある地域に残ってくれたため、一緒にかぼちゃを掘ったり、感謝祭の伝統的な料理を作ったりすることで、ホリデーシーズンを楽しむことができた。また、クリスマスシーズンに切り替わった12月の初め頃、Leavenworthという素敵なクリスマスライトや伝統的なクリスマスギフトショップで有名なドイツ風の町に訪れた。コロナウイルスの影響のため、例年よりも訪問者はかなり減っていたと聞いたものの、夜には町中がライトアップされ、クリスマスの歌が町中に流れ、とても幸せな気分にしてくれた。自粛後は、ほぼ4か月ぶりに親戚の住んでいる地域に戻り、一緒にクリスマスを過ごす予定だ。より多くの日本人留学生にアメリカでクリスマスを過ごして、クリスマスの伝統や”give love, get love”な文化を体験してほしい。以下の写真は、ハロウィンの時期に掘ったかぼちゃと感謝祭の時に作った伝統料理、そしてLeavenworthの街並みの様子。
2020年冬
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
セントラルワシントン大学で過ごした3 度目の冬学期。去年に続き、コロナウイルスの影響ですべての授業がオンラインとなり、前学期同様大学内のジムや大学周辺のレストランは営業できていたが、一般人へのワクチンがまだ普及していないため、まだまだ注意が不可欠な学期となった。また今学期は、対面授業や大学内外のイベントは一切なかったが、その反面マイクロソフトチームやズーム、キャンバなど、新たなテクノロジーに関する知識とスキルを身につけることができた。今回のレポートでは、2021年の目標、大学内のクラブで任命されたマーケティングディレクターという役職を通して得た経験、また大学付近で撮影した“冬のベストショット”を共有したいと思う。
まずは、年末年始に設定した私の目標について。2021年は大学生活が残り半分を切る年となるため、“4年生になるための準備”に重点を置き、2つの目標を立てた。1つ目は、LinkedIn 上でネットワークを最低60まで増大させること。LinkedInとは、世界中でよく知られているビジネス版フェイスブックのようなアプリまたはサイトで、現役で活躍するプロフェッショナルとオンライン上でネットワークを作ることができる。私は去年の後半に初めてLinkedIn について学びアカウントを作成したため、2020年が終わる時期にはネットワークが30ほどしかなかった。教授やアドバイザーと会話した時に、スポーツ業界では、ネットワークが成功につながるカギだとの教訓を受けたため、ネットワークを倍に膨らませることを2021年の1つの目標として設定した。しかし、冬学期が終わった時点でネットワークを80以上まで増大させることができたため、現在はコネクションを200以上まで拡大させることを目指している。2つめは、大学内外で最低2つの実習経験を積むこと。理由は、コロナウイルスの影響でオファーを受けていた隣の郡にある大学野球リーグでのインターンシップと、通っている大学のアスレチックデパートメントでのインターンシップがともにキャンセルされたからだ。今学期はまだシーズンをスタートできる状態ではないが、来学期や夏にかけて、新たな経験を得てチームや組織に貢献できることを期待している。
次に、今学期から任命された、マーケティングディレクターという役職とその経験について。年末、入学当初から所属しているスポーツマネジメントアソシエーションという大学のクラブから、イベントの企画や広告作りを担当するマーケティングディレクターにならないかというオファーをもらったため、役割を果たせるか自信がないままオファーを受け入れた。学期開始早々、ミーティングやイベントを宣伝するための広告を作ったり、今後のクラブの改善方法や組織の目標とそのプランについて、リーダーシップチーム内で意見交換をしたりと、大忙しな日々が一学期中続いた。しかし、リーダーとして組織に参加することで感じた責任感やプレッシャーが、モチベーション向上につながり、タイムマネジメントやコミュニケーション力、プロフェッショナリズムやイベント企画・運営などといったスキルに磨きをかけることができた。さらに、シェアした自分の意見やパフォーマンスが評価され、春のオークションイベントの計画立てや組織のLinkedIn のアカウントの作成・マネジメント、という新な役割も任され、プランニングやデジタルマーケティングなどにチャレンジすることもできた。学期後半には、アシスタントを2人採用したことで、人材育成やプロジェクトマネジメントなど、アルバイトや授業ではなかなかフルで表に出せていなかったリーダーシップを発揮できたことで、自分の人間性や英語力に関する自信が改善された。
最後に、大学付近で撮影した“冬のベストショット”について。大学があるエレンズバーグという場所は、いつも青空が広がっていて、朝日や夕日、星空などがとにかく美しいく、毎日外に出るだけで心が落ち着く。特に冬は雪が積もり、寒い日には気温もマイナス15 度ほどまで下がるため、まさにウィンターワンダーランドの世界観に浸ることができる。以下の写真は左から、今年一雪が積もった日の様子、早起きして川沿いまでドライブして撮影した朝日、そしてアパートからいつも眺める夕日をリストした。
2021年春
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
大学3年生最後となった今春学期。セントラルワシントン大学では前学期同様、コロナウイルスの影響でオンライン授業のみオファーされたが、大学のジムやキャンパスは特定の生徒や教授のためにリオープンされていた。春学期中旬ごろ、一般人へのワクチンが給付されだしたため、学期後半には、半年から1 年ぶりに家族や友達に再会できるようになった。今回のレポートでは、スポーツマネジメントクラブのマーケティングディレクターとして成し遂げたプロジェクト、大学内外のインターンシップ経験、そして春から夏にかけて参加したメジャーリーグのプログラムについてレポートしたい。
前回のレポートで話した通り、前学期にスポーツマネジメントクラブのマーケティングディレクターとして任命され、クラブのリーダーシップチームに参加している。今学期は、自分でイベントを持ち込みチームを先導するというチャンスをもらったため、今までクラブが提供したことのなかった、スポーツのアパレル企業について学ぶためのパネルディスカッションを企画し、すべてオンラインで運営した。このイベントをきっかけに、大手企業のNIKE やAdidas、そしてUnder Armour のマネージャーたちとコネクションを作ることができ、彼らからその会社の特徴や就職するために必要な知識やスキル、その会社のワークライフバランスなどについてメンバーとともに学ぶことができた。さらに、初めてオンラインでイベントを運営したことで、リーダーシップやスケジューリング、プロフェッショナリズムなど、将来成功するために不可欠なスキルをさらにリ向上させることができた。リーダーシップチームメンバーの支えなしでは成し遂げられなかったプロジェクトだったため、チームメイトにとても感謝している。以下の写真は左から、リーダーシップチームのオンラインミーティングの様子、そして今学期で卒業したチームメイトと食事をしたときの写真。
次に、大学内外で得たインターンシップ経験について。大学内では、去年からアスレティックデパートメントで、マーケティング関係のインターンシップをしている。コロナウイルスの影響でスポーツイベントが2 年連続でほぼキャンセルされたため、あまり多くの試合をサポートすることができなかったが、宣伝や試合中に使うグラフィックデザインを作成したり、バレーボールと野球の試合でそのデザインや音楽をコントロールしたりすることができた。大学外では、去年働く予定だった、隣町にある大学生の野球リーグチーム(Yakima Pippins Baseball Club)で春から夏にかけてのインターンシップをした。ここでは、掃除やスタジアムのセットアップはもちろん、チケット販売や、アパレル商品の販売と管理、オン・フィールド・プロモーション、ビデオボードの操作など様々な経験を得ることができた。具体的には、ファンの要望に合ったチケットや商品を提供したり、新しい商品をシステムに登録したり、試合中にフィールドに出てT シャツをファンに渡したり、事前に打ち合わせをしたファンをフィールドに誘導してプロモーションゲームをサポートしたりと、楽しい環境で働くことができた。以下の写真は、左から、正装姿のプロフィール写真、試合中の様子、そして試合後のサイン会で選手とファンが触れ合う様子。
最後に、大学外のインターンシップと並行して取り組んだメジャーリーグのオンラインプログラムについて。春学期終盤、MLB (Major League Baseball) on DeckSales Program という、全米に通う大学生または新大学卒業生にむけたメジャーリーグのセールスに関する知識やスキルを学ぶ8 週間のプログラムに選考された。35 人ほどの参加者がいたが、留学生は自分ひとりだけで少し心細い気持ちもあったが、このプログラムを通して、イチロー選手が活躍したシアトルマリナーズを含むMLB の様々なチームのセールスマネージャーからレッスンを受けたり、配属されたチームでグループプロジェクトに取り組んだりした。数多くのプロフェッショナルたちとつながる機会が多かったため、前学期設定したLinkedIn ネットワーク200 人という2021 年目標があっという間に達成され、今後の自分磨きやキャリアをサポートしてくれるメンターたちにも出会うことができた。今までの大学生活で最も大きなステップを踏むことができたプログラムだったため、留学を検討している学生には、海外にはこういった学びのチャンスもあるということを頭の隅に入れておいてほしい。
2021年秋
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
大学生活も残り1 年を迎え、インターンシップや就活、新しいアルバイトなどでとても忙しさが増した今秋学期。セントラルワシントン大学では、マスクの着用は必須とされていたものの、対面授業やクラブ活動が再開され、コロナ前の“日常”により近づき、大学に少し活気が戻った。学期中旬ごろには、3 度目のワクチンとして普及されているブースターを大学内でも受けることができるようになり、ホリデーシーズン中のウイルスの感染対策が進められた。今回のレポートでは、大学4 年生になった私がどのようにアメリカで就活を始めたか、新たに挑戦したアルバイトとインターンシップで何を学んだか、そしてスポーツマネジメントクラブの部長として取り組んだことについてシェアしたい。
まずは、アメリカでの就活について。
アメリカでは、日本との就活方法や時期が大きく違い、主な仕事がLinkedIn に掲示されるため、そのウェブサイト上で仕事を探して申請するという方法が一般的である。さらに、アメリカのスポーツ業界では競争率がとても高くなってきているため、自分のネットワークを活用しながら就活を進めることが、就職のカギだと言われている。アメリカで就職し、就業ビザで長期滞在をすることが目標である私は、オンラインイベントなどを通してつながった雇用者たちとのミーティングを重ねることから就活を始めた。もちろん、レジュメや面接練習、そしてネットワーキングにもできるだけ時間をかけ、プロフェッショナリズムに磨きをかけた。秋学期中旬には、様々な業界で活躍されているマネージャーから声がかかり始め、MLB(メジャーリーグベースボール)のチームから仕事のオファーをもらうことができた。また、今年はオンラインで開催されたボストンキャリアフォーラムという日本人留学生用の就活イベントにも参加し、日本の会社とつながる機会を積極的に作った。
次に、今学期挑戦した新しいアルバイトとインターンシップについて。
今までは大学内のスポーツジムで働いていたが、今学期から大学内のSLICE(StudentLeadership, Invovement, and Community Engagement)という組織内で、リーダーシッププラグラマーという仕事を始めた。生徒がそれぞれの個性や知識を磨き、将来より良いリーダーを育成することが目的である、リーダーシップアカデミーというプログラムに様々なセミナーを運営・企画することで、このプラゴラムに貢献しつつ、リーダーとしても成長できた。また、Navigate というスポーツエージェントの会社で、営業・マーケティング関係のインターンシップにも同時にチャレンジした。すべてオンラインのインターンシップだったため、順応性があり働きやすい環境を得ることができ、今までになかった新たな働き方を経験できた。このインターンシップを通してすべてオンライン営業のスポーツエージェント会社がどのようにブランドを成長させたり、クライエントの情報を管理したりしているのか、ソーシャルメディアの戦略方法や会社内外のピープルマネジメント方法について学ぶことができた。以下の写真は左から、新しいバイトの仲間たちとトップロープをした日に取った写真、そして自分でプランしたリーダーシップに関するウォークショップの様子。
最後に、大学のスポーツマネジメントクラブの部長として取り組んだことについて。
前学期終盤に、クラブのマーケティングディレクターから部長として昇格できたため、毎週実施するリーダーシップチームのミーティングを円滑に進めたり、チームメンバーのメンターとして個人の成長に力を入れたり、クラブの1 年間の活動スケジュールやクラブの資金の管理をしたりと、責任者としてチームを引っ張ることとなった。小さな組織でも、クラブの資金調達のためのオークションを企画して様々なプロスポーツチームと寄付に関する交渉をしたり、チームで協力してスポーツコーチングに関するパネルディスカッションを開催したりと、大きなプロジェクトにたくさん取り組んだ。今までとは違った責務とプレッシャーを感じつつも、さらに自分のコンフォートゾーンから抜け出し成長できた。残りの2 学期も、チームメンバーがよりリーダーシップを発揮して他者を支えられる人材に育つよう、また、チームでクラブメンバーがそれぞれの目標に向かって歩みを進めるサポートができるよう、全力で活動していきたい。以下の写真は左から、スポーツマネジメントクラブでプロフェッショナリズムについてのミーティングをしたときの様子、サンフランシスコで働く去年のクラブの部長を訪ねた時にとったもの、そしてリーダーシップチームのみんなやアドバイザーとクリスマスプレゼント交換をしたときの様子。彼らのおかげでとても充実した学期を過ごすことができた。
2021年冬
S.Lさん
米国 セントラル・ワシントン大学(保健体育学部スポーツマネジメントコース)
セントラルワシントン大学で迎えた4度目の冬学期。キャンパス外でのマスクの着用義務はほぼなくなり、短期留学生の入国も認められるようになった。今回のレポートでは、エレンズバーグで経験した異常気象について、部長として活動しているスポーツマネジメントクラブの取り組み、そして2 年ぶりとなったフィールドトリップの経験についてレポートしたいと思う。
まずは、私の大学がある、アメリカ、ワシントン州にあるエレンズバーグという場所で経験した異常気象について。エレンズバーグの冬は風が強く、雪が積もる地域として知られている。今年は、一晩で膝上まで雪が積もり、車も半分以上雪で覆われ、25年ぶりに授業が数日間キャンセルされるほどとなった。2 週間以上も気温も全く上がらなかったり、除雪作業が追い付かなかったりしたため、車を利用できない状態が続き、改めてアメリカがどれほど車社会であるかを感じた。以下の写真は、授業がキャンセルされた日の大学キャンパスと、アパート付近で雪遊びをした時の様子。
次に、スポーツマネジメントクラブの活動について。来学期にクラブの選挙が予定されているため、今冬学期は部長として活動する最後の学期となった。レクリエーションイベントや、National Girls & Women in Sprots Day (NGWSD)をお祝いするために開催したWomen in Sport Panel というパネルディスカッション、クラブの募金活動として行ったバスケットボールのゲームイベントやアシスタントプログラムなど、コロナ中にはできなかったイベントを、2 年ぶりに実行することができた。目標であった、クラブメンバーのネットワーキングに貢献しつつ、アシスタントプログラムを導入することで次世代のリーダー育成に取り組むことができた。特に、クラブに利益をもたらすことやリーダー育成に貢献することは、だれもが得られる経験ではないため、機会を与えてくれたクラブやリーダーシップチーム、そしてアドバイザーたちにとても感謝している。以下、クラブ活動の様子。
最後に、2 年ぶりに実現となったフィールドトリップについて。スポーツマネジメントの教授が運営しているNorthwest Center for Sport という組織が、スポーツマネジメントを学ぶ生徒を中心に、シアトルマリナーズの新スタジアムであるT-MobilePark を訪ねる機会を作ってくれた。スタジアムでは、マリナーズの営業やマーケティング、ソーシャルメディアなどのチームで働くプロフェッショナルたちのパネルディスカッションに参加したり、スタジアムツアーを受けつつフィールド上で写真撮影をしたりした。スポーツ業界で成功する秘訣や今までの苦労、目標達成のために今すべきことなど、とても貴重な情報を得ることができた。直接プロフェッショナルたちと会って話す機会は少ないため、今後留学を考えている方にはこのようなフィールドトリップに積極的に参加し、ネットワークをどんどん広げていってほしいと思う。以下、フィールド上で撮影したスポーツマネジメントクラブの友達との写真と、パネルディスカッションに参加してくださったプロフェッショナルたちと撮影した写真を添付した。