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福岡県内の自然公園指定植物(抜粋)
更新日:2023年3月30日更新
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自然公園法、福岡県立自然公園条例により、国定公園や県立自然公園の特別地域内では指定された植物を県の許可無く採取等することは禁止されています。このページではその指定植物の一部を紹介しています。
なお、北九州国定公園の平尾台(北九州市小倉南区)と耶馬日田英彦山国定公園の英彦山(添田町)の一部は、特別地域の中でも特に規制の厳しい特別保護地区に指定されており、この特別保護地区内では全ての植物の損傷、採取等(全ての動物の捕獲、殺傷等も同様)が禁止されています。よって、希少な植物の採取をはじめ、ワラビ等の山菜採りについても違反となりますので御注意下さい。
種名 |
ハマボウ | 科名 | アオイ科 | |
学名 | Hibiscus hamabo Siebold et Zucc. | |||
指定公園 | 玄海国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 河口や海岸の砂泥地に生育する落葉低木。河口域の開発や護岸工事により消滅した自生地もある。 |
種名 | サツマイナモリ | 科名 | アカネ科 | |
学名 | Ophiorrhiza japonica Blume | |||
指定公園 | 北九州国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 該当なし | |||
種の概要 | 水しぶきのかかる様な渓流の岩上、湿気の多い林内などに群生する多年草。 |
種名 | ノハナショウブ | 科名 | アヤメ科 | |
学名 | Iris ensata Thunb. var. spontanea (Makino) Nakai ex Makino et Nemoto | |||
指定公園 | 北九州国定公園・玄海国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧IB類 | |||
種の概要 | 山野の湿原に生える多年草。湿地の遷移の進行や乾燥化、更に園芸用採取などによって減少する一方である。 |
種名 | キキョウ | 科名 | キキョウ科 | |
学名 | Platycodon grandiflorus (Jacq.) A.DC. | |||
指定公園 | 北九州国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 日当たりの良い草原に生える多年草。二次草原、若齢二次林内や林縁、ため池堤防などにも生育する。 |
種名 | ヒメヒゴタイ | 科名 | キク科 | |
学名 | Saussurea pulchella (Fisch. ex Hornem.) Fisch. | |||
指定公園 | 北九州国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 日当たりの良い草原に生育する多年草。二次草原のほかに、池の縁に成立した湿性草原にも稀に生育している。 |
種名 | ダルマギク | 科名 | キク科 | |
学名 | Aster spathulifolius Maxim. | |||
指定公園 | 玄海国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 準絶滅危惧 | |||
種の概要 | 海岸の岩上に生える多年草で、海岸断崖風衝地に生育する。断崖に群生している場所もあるが、海岸断崖という限られた場所に生育する植物であるため、自生地は少ない。 |
種名 | オキナグサ | 科名 | キンポウゲ科 | |
学名 | Pulsatilla cernua (Thunb.) Bercht. et C.Presl | |||
指定公園 | 北九州国定公園・玄海国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧IB類 | |||
種の概要 | 日当たりの良い草原に生える多年草。二次草原や山地稜線草地などに生育する。園芸用の乱獲や草原の遷移のため、個体数が減少している場所が多い。 |
種名 | チョウジガマズミ | 科名 | スイカズラ科 | |
学名 | Viburnum carlesii Hemsl. var. bitchiuense (Makino) Nakai | |||
指定公園 | 北九州国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 主に岩礫地に生育する低木性の落葉広葉樹。近年は数箇所の石灰岩地で生育が確認されているだけである。 |
種名 | オオベニウツギ | 科名 | スイカズラ科 | |
学名 | Weigela florida (Bunge) A.DC. | |||
指定公園 | 筑後川県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧IA類 | |||
種の概要 | 林縁に生える低木。県内に日本で知られる唯一の生育地があったが、絶滅した可能性が高い。 |
種名 | シコクスミレ | 科名 | スミレ科 | |
学名 | Viola shikokiana Makino | |||
指定公園 | 北九州国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 冷温帯林の林床に生育する多年草。地下に細長い走出枝を出し、春季に白色の花を咲かせる。 |
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種名 | ツゲ | 科名 | ツゲ科 | |
学名 | Buxus microphylla Siebold et Zucc. var. japonica (Mull.Arg. ex Miq.) Rehder et E.H.Wilson | |||
指定公園 | 筑後川県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 県内では石灰岩地に生育する常緑低木。「古処山のツゲ原始林」は国の特別天然記念物に指定。 |
種名 | ツクシシャクナゲ | 科名 | ツツジ科 | |
学名 | Rhododendron degronianum Carriere subsp. heptamerum (Maxim.) Hara | |||
指定公園 | 耶馬日田英彦山国定公園・矢部川県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 該当なし | |||
種の概要 | 岩の露出した稜線部や崖上に多い、山地に生育する常緑低木。「犬ヶ岳のツクシシャクナゲ自生地」は国の天然記念物に指定。日本のシャクナゲの中では特に花が美しいといわれる。 |
種名 | ハガクレツリフネ(エンシュウツリフネソウ) | 科名 | ツリフネソウ科 | |
学名 | Impatiens hypophylla Makino | |||
指定公園 | 矢部川県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 該当なし | |||
種の概要 | 山地の林下に極めてまれに生育する一年草。エンシュウツリフネソウはハガクレツリフネの変種で花がより小さく、花冠に斑点がほとんどない。 |
種名 | フジナデシコ(ハマナデシコ) | 科名 | ナデシコ科 | |
学名 | Dianthus japonicus Thunb. | |||
指定公園 | 玄海国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 該当なし | |||
種の概要 | 海岸の岩上や崖地に生育する多年草。 |
種名 | ワチガイソウ | 科名 | ナデシコ科 | |
学名 | Pseudostellaria heterantha (Maxim.) Pax | |||
指定公園 | 耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 冷温帯林内の岩上、登山道の端などに生える多年草。自生地ではシカが増加し、多くの林床植物が減少している。 |
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種名 | イブキシモツケ | 科名 | バラ科 | |
学名 | Spiraea dasyantha Bunge | |||
指定公園 | 筑豊県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 準絶滅危惧 | |||
種の概要 | 急傾斜の崖などに生育することが多く、県内では石灰岩地域を中心に生育する落葉低木。 |
種名 | ハマオモト(ハマユウ) | 科名 | ヒガンバナ科 | |
学名 | Crinum asiaticum L. var. japonicum Baker | |||
指定公園 | 玄海国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧IB類 | |||
種の概要 | 砂浜や礫浜に生える常緑の多年草。「夏井浜の浜木綿自生地」は県の天然記念物に指定。海岸域の開発や園芸用の採取などで 消滅した場所もある。 |
種名 | アオベンケイ | 科名 | ベンケイソウ科 | |
学名 | Hylotelephium viride (Makino) H.Ohba | |||
指定公園 | 北九州国定公園・玄海国定公園・耶馬日田英彦山国定公園・筑後川県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 該当なし | |||
種の概要 | 山地の岩上や稜線部のブナなどの樹上に着生する多年草。 |
種名 | ゲンカイイワレンゲ | 科名 | ベンケイソウ科 | |
学名 | Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. malacophylla | |||
指定公園 | 玄海国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧IB類 | |||
種の概要 | 海岸の岩礫地に生育する1回結実性の多年草。基岩の崩落の進行に伴い個体数が減少している。 |
種名 | ムラサキ | 科名 | ムラサキ科 | |
学名 | Lithospermum erythrorhizon Siebold et Zucc. | |||
指定公園 | 北九州国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧IB類 | |||
種の概要 | 県内では主に草丈が低く日当たりの良い二次草原に生育する多年草。遷移の進行などによる生育環境の変化で個体数が減少し ている。 |
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種名 | ウメバチソウ | 科名 | ユキノシタ科 | |
学名 | Parnassia palustris L. var. palustris | |||
指定公園 | 北九州国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 山地のやや湿った草原に生える多年草。群生している場所もあるが、草原の遷移や園芸用の採取により、個体数が減少している場所もある。 |
種名 | ヒメウツギ | 科名 | ユキノシタ科 | |
学名 | Deutzia gracilis Sieb. et Zucc. | |||
指定公園 | 筑豊県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 該当なし | |||
種の概要 | 河岸の岩上の日当たりの良い場所や石灰岩地に生育する落葉低木。 |
種名 | ヤマラッキョウ | 科名 | ユリ科 | |
学名 | Allium thunbergii G.Don | |||
指定公園 | 北九州国定公園・玄海国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 該当なし | |||
種の概要 | 山地や草原などの比較的湿潤な草原に生育する多年草。 |
種名 | コオニユリ | 科名 | ユリ科 | |
学名 | Lilium leichtlinii Hook. fil. var. maximowiczii (Regel) Baker | |||
指定公園 | 北九州国定公園・玄海国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 該当なし | |||
種の概要 | 山地の草原に生育する多年草。やや湿った場所を好むが、岩上や岸壁にも見られる。 |
種名 | キエビネ | 科名 | ラン科 | |
学名 | Calanthe striata R.Br. | |||
指定公園 | 北九州国定公園・玄海国定公園・耶馬日田英彦山国定公園・筑後川県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧IA類 | |||
種の概要 | 自然林に限らず、スギ、ヒノキの造林内にも生育している多年草。1970年代後半のエビネブームで乱獲され絶滅状態になっていたが、徐々に復活している。 |
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種名 | エビネ | 科名 | ラン科 | |
学名 | Calanthe discolor Lindl. | |||
指定公園 | 北九州国定公園・玄海国定公園・耶馬日田英彦山国定公園・筑後川県立自然公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 海岸林から夏緑樹林帯中部まで広く分布している多年草。1970年代後半のエビネブームで乱獲され絶滅状態になっていたが、徐々に復活している。 |
種名 | サギソウ | 科名 | ラン科 | |
学名 | Pecteilis radiata (Thunb.) Raf. | |||
指定公園 | 北九州国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧IA類 | |||
種の概要 | ミズゴケ類を伴う貧栄養の湿地に生える多年草。開発や遷移の進行による平野部の湿地の消滅に加え、園芸用の乱獲によって個体数が減少した。 |
種名 | ムラサキセンブリ | 科名 | リンドウ科 | |
学名 | Swertia pseudochinensis H. Hara | |||
指定公園 | 北九州国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 草丈が低く日当たりの良い二次草原などに生育する二年草。放置された草地では遷移に伴って個体数が減少している。 |
種名 | リンドウ | 科名 | リンドウ科 | |
学名 | Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav | |||
指定公園 | 北九州国定公園・玄海国定公園・耶馬日田英彦山国定公園 | |||
福岡県レッドデータブック2011カテゴリー | 絶滅危惧II類 | |||
種の概要 | 二次草原などに生育する多年草。山地稜線草地、若齢二次林内や林縁、ため池堤防や山地の水田畦畔などに生育する。 |
参考文献: | 「福岡県の希少野生生物 福岡県レッドデータブック2011 植物群落・植物・哺乳類・鳥類」(2011)福岡県環境部自然環境課 |
「英彦山・犬ヶ岳山地の自然と植物」(2010)熊谷信孝 | |
「貫・福智山地の自然と植物」(2002)熊谷信孝 | |
希少種の詳細な情報は下記のリンクよりご覧下さい。 |
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