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感染症の流行状況と感染対策について
感染症の流行状況
百日咳
百日咳の報告件数が増加しています。
百日咳の病原体は、「百日咳菌」で、特有の咳症状がみられる呼吸器感染症です。五類感染症に分類されており、全数把握疾患です。
【感染経路】
感染した人の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことによる「飛まつ感染」、細菌に汚染されたものを触った手で、目、口、鼻等の粘膜に触れることによる「接触感染」があります。感染してから発症するまでの潜伏期間は5~10日程度です。
【症状】
発症初期は風邪症状で始まり、徐々に咳が強くなっていきます。次第に特徴的な発作性の咳(顔を真っ赤にしてコンコンと激しく咳き込み、最後にヒューと音を立てて息を吸う)となります。1歳以下の乳児、特に生後6ヶ月以下では重症化しやすく、亡くなる場合があります。成人では、咳は長期間続きますが、比較的軽い症状で経過することが多いため、百日咳にかかったと気づかずに、新生児や乳児へ感染させてしまう場合があります。
【感染対策】
予防には、DPT-IPV-Hib五種混合ワクチンが有効です。生後2か月から定期接種が可能となっています。(定期接種については、お住まいの市町村の予防接種窓口までお問い合わせください。)咳が出ている場合は、咳エチケットを心がけましょう。こまめに手洗いをすることも大切です。
参考
梅毒
梅毒の報告件数が増加しています。
梅毒の病原体は、「梅毒トレポネーマ」で、感染後の経過期間によって様々な症状が出る性感染症です。五類感染症に分類されており、全数把握疾患です。
【感染経路】
主に性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)によって感染します。具体的には、性器と性器、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口の接触(オーラルセックス)等の性行為が原因となります。
【症状】
1期顕性梅毒:感染後約3週間
初期には、感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができることがあります。痛み がないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。しかし、体内から病原体がいなくなったわけではなく、他の人にうつす可能性もあります。
2期顕性梅毒:感染後数か月
治療をせずに3か月以上を経過すると、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。発疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合があり、また、再発を繰り返すこともあります。しかし、抗菌薬で治療しない限り、病原体は体内に残っており、梅毒が治ったわけではありません。
晩期顕性梅毒:感染後数年
感染後、数年を経過すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。また、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死亡に至ることもあります。
【感染対策】
感染部位と粘膜や皮膚が直接接触をしないように、必ずコンドームを使用しましょう。ただし、コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用しても、100パーセント予防できると過信はせず、皮膚や粘膜の異常など気になる症状があった場合は性的な接触を控え、早めに医療機関を受診して相談しましょう。
詳細についてはこちらのページをご覧ください。→【注意!】梅毒の感染者がとても増えています