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2024 WINTER

知事といきいきトーク 2024年11月1日 嘉麻市

福岡県地図上の嘉麻市

豊富な歴史
文化遺産を生かした
まちづくりに挑む嘉麻市

知事が県民の皆さんのもとに出向き、地域で活躍されている皆さんと意見交換を行う「知事といきいきトーク」。 今回は、さまざまな歴史文化遺産をもつ嘉麻市でまちづくりに取り組む皆さんと意見交換を行いました。

嘉麻市で活躍する皆さん

嘉麻市で活躍する皆さんの写真
嘉麻市で活躍する皆さんの席次図
  • 辻󠄀 諒太 (つじ りょうた)さん(①)

    山野の楽保存会

  • 桒野 隆夫 (くわの たかお)さん(②)

    射手引神社 禰宜

  • 大里 岳 (おおさと たける)さん(③)

    大里酒造株式会社 専務

  • 中村 瑠梨 (なかむら るり)さん(④)

    一般社団法人嘉麻市
    観光まちづくり協会 副会長

  • 松岡 朝生 (まつおか あさお)さん(⑤)

    NPO法人遠賀川流域
    住民の会 副理事長

  • 木本寛昭 嘉麻市教育長(⑥)
  • 江頭祥一 県議会議員(⑦)
  • 服部誠太郎 県知事(⑧)
  • 赤間幸弘 嘉麻市長(⑨)
  • 山田卓嗣 嘉麻市副市長(⑩)

伝統行事をつなぎながら
新たなにぎわいを創出

辻󠄀さん写真

辻󠄀

 「山野の楽」は、毎年秋分の日に氏子安全、五穀豊穣を祈願して山野若八幡神社で奉納される水神祭で、780年続く、県指定の無形民俗文化財です。筑豊地区唯一のがく うち楽打(がくうち※1)であり、とても古い形の踊りが残っているのが特徴です。我々保存会のメンバーは10〜80代まで年齢層が幅広く、みんなで祭りを盛り上げていこうと活気があります。
※1楽打…五穀豊穣、雨乞いを祈願して舞う太鼓踊り

知事写真

知事

 少子化が進む中、伝統行事を継承していくのは難しいことですが、子どもたちも多く参加し、和気あいあいとやられているのは素晴らしいと思います。子どもたちが祭りを楽しんで、次の世代につないでいってくれるといいですね。

桒野さん写真

桒野

 射手引(いでびき)神社は伝統行事だけでなく、面や衣装、音楽など全てオリジナル、手作りで行う「弥栄神楽(いやさかかぐら)」、昔のにぎわいを再現するため商店街を歩行者天国にして行う「山田ブギウギまつり」など新しい試みも行っています。神社を観光資源として捉え、周辺一帯をにぎやかなまちにできると考えて取り組んでいます。

知事写真

知事

 神社の禰宜(ねぎ)を務めながら、地域活性化の取り組みの中心としてご活躍いただいています。商店街の振興というのは難しい面もありますが、地域の皆さんが力を合わせて取り組んでいくことが大切ですね。これからも頑張ってください。

若い世代の柔軟な発想で
新たな試みに挑む

大里さん写真

大里

 当社は1835年から続く造り酒屋ですが、当初家業を継ぐつもりはありませんでした。しかし、大学卒業後に家業を手伝う中で、常連の皆さんの愛のあるお言葉を聞くうちに、この酒蔵を続けていきたいと思うようになりました。
 若い人にもっと日本酒を飲んでもらいたいという思いで、ラベルを見ただけで日本酒の味わいが分かる「言魂(ことだま)シリーズ」や、日本酒ベースのカカオリキュールの開発など、新しい商品造りに挑んでいます。本日試飲いただいたスパークリング日本酒は、昨年度、県の補助金を活用して開発をしました。

知事写真

知事

 大里酒造さんには酒どころ福岡のPRイベント「& SAKE FUKUOKA」にもご出店いただき、本日のスパークリング日本酒をはじめ、大変おいしいお酒をご提供いただきました。県では、新事業や第二創業に挑戦する若手後継者などを「アトツギ・サッシンベンチャー」と名付け、支援するプログラムを実施しています。ぜひご活用いただき、新たな取り組みに挑戦していただければと思います。

中村さん写真

中村

 嘉麻市は、自然や歴史など観光資源が豊富です。それらを活用した企画、コンテンツ作りなどを行いながら観光情報を発信する事業を行っています。アウトドアシティ宣言をしている嘉麻市ならではのツアーも造成しており、デンマークの言葉で心地よい空間や時間を意味する“ヒュッゲ”体験は「よかバス」でもご好評をいただいきました。

知事写真

知事

 今回の訪問で改めて嘉麻の奥深さを体感しています。嘉麻市には素晴らしい風景だけではなく、織田廣喜(おだひろき)美術館や史跡、酒蔵など多くの観光資源があり、見学や体験といったいろいろなツアーもできると思います。二次交通の問題を解消するバスは大きな存在です。周遊バスツアーなど、地元に利益が還元されるような商品づくりをよろしくお願いします。

森を守ることが
遠賀川流域の自然や歴史を守る

松岡さん写真

松岡

 嘉麻市は遠賀川の源流の地です。保存会では植樹、下草狩りなどの森林整備や、鮭の稚魚の放流などの河川環境保護の取り組みを行っています。近年、朝倉高校史学部の調査により、遠賀川源流に架かる非常に珍しいリブアーチ式の石橋(桑野の梯橋※2)が発見されました。現在、クラウドファンディングを利用して保存活動に取り組んでいるところです。周辺には石造りの火の見やぐらもあるので、今後、当時の石造文化を調査して、観光にもつなげていければと思っています。
※2桑野の梯橋(くわののかけはしばし)…渡る方向に向けて縦に石を組む、全国的にも希少な工法で作られた石橋。2023(令和5)年に市の有形文化財に指定された。

知事写真

知事

 森を守ることが川や海を守り、漁業資源を守ることにつながっていきます。本当にありがたい取り組みです。高校生が石橋を発見したのは本当にすごい。リブアーチ式の石橋は技術的に難しそうですが、地域に技術が脈々と受け継がれてきたのでしょうね。石造の文化を調べていくと面白いものが出てきそうですね。

知事写真

知事

 皆さんの素晴らしい取り組みについてお話を伺い、改めて嘉麻市の素晴らしさを認識いたしました。本当にありがとうございました。

知事の写真
意見交換の様子

視察先

嘉麻市のいきいきスポット

梅ヶ谷(うめがたに)酒造の写真

梅ヶ谷(うめがたに)酒造

遠賀川の源流である馬見山の麓に位置する、1834(天保5)年創業の酒蔵。梅ジュースや奈良漬けなどを製造。2024(令和6)年7月、酒蔵の歴史や明治から昭和にかけての酒造りの様子を知ることができる、梅ケ谷北洋記念館をオープン。

  • 所在地:嘉麻市大隈町346
  • 電話:0948-57-0005
織田廣喜(おだひろき)美術館、碓井郷土館の写真

織田廣喜(おだひろき)美術館、
碓井郷土館

郷土の出身で、日本洋画界で活躍した織田廣喜の作品を常設展示する美術館及び市の歴史を紹介した郷土館。豊臣秀吉から賜ったとされる陣羽織など、戦国時代の貴重な資料が保存されている。

  • 所在地:嘉麻市上臼井767
  • 電話:0948-62-5173