2024 AUTUMN
テクノロジー分野や
建設分野で
活躍する女性たち
福岡県は、さまざまな分野で
働く女性を応援しています。
今回は、テクノロジー分野や
建設分野の第一線で働く
女性たちを訪ねました。
テクノロジー分野、建設分野の企業の魅力が分かるサイトをご紹介!
新しいことに挑戦する
開発者になりたい
TOTO株式会社
衛陶(えいとう)※開発第一部 衛陶開発第二グループ
※浴室や便所など、主に水回りに用いられるセラミックス製器具の総称
上野 りささん
使う人に寄り添った
ものづくりができる場所
「子どもの頃からものづくりが大好き。夏休みの宿題の工作には特に力を入れ、貯金額が一目で分かる貯金箱を作ったりしました」と笑顔で話す上野さんは、大学で設計を学びTOTOに入社。1年間の研修を経て、入社2年目から開発に配属され、洗面器の開発経験を経て現在はTOTOを代表する商品である大便器の開発に携わっています。「田舎育ちで周囲にはきれいな公共トイレがあまりなく、自分の手で公共トイレをきれいにしていきたいと思ったのがきっかけです」と上野さん。就職先を探しているときに、TOTOがユニバーサルデザインのものづくりにこだわっている会社だと知り、「ここなら使う人に寄り添った開発ができる」と入社を決意。
入社5年目の現在は、いろいろな商品開発に携わって視野を広げ、「本当の意味で誰もが使いやすい商品とは何か」について模索し続けています。「その答えを見つけるためにも、新しいことに挑戦し続ける開発者になりたい」と目標を語ってくれました。
開発した商品が世に出て
誰かの役に立つ喜び
さまざまな経験を経て初めて開発のテーマリーダーを務めた洗面器は思い出深いものなのだとか。車椅子の人でも小さな子どもでも使いやすい工夫を施した洗面器「LS351」は、まさに上野さんが目指す「誰もが使いやすい商品」をかたちにしたもの。展示会で車椅子の女性に使ってもらった際に、「使いやすい」と好評だったそう。自分の思いを開発に反映できた喜びが、今の上野さんの原動力になっています。
TOTOは商品開発において女性ならではの視点を大事にしています。女性技術者の採用も増やしていて、出産後も長く働き続けられるよう、子育てと両立できる制度も充実しています。「女性の同僚が増えてほしいですね」。
開発に携わる大便器の、水の流れをチェック。品質にこだわるTOTOでは、厳しい基準をクリアすることが求められています
洗面器「LS351」。ボウルの前面を下げ、子どもでも手が入りやすく、また、下の空間を大きく取り、車椅子も入りやすくなっています
コミュニケーションを大切にする社風で、先輩や上司にも気軽に相談できるそう
TOTO株式会社
所在地:北九州市小倉北区中島2-1-1
問い合わせ:[電話]093-951-2052
新しい技術で、
世の中をもっと便利にダイハツ工業株式会社 九州開発センター
くるま開発本部 パワートレーン※1開発部
CN※2先行開発室
※1 エネルギー(電気や燃料)を車の駆動力に変える装置の総称
※2 カーボンニュートラル
松田 千尋さん
培ってきた知識・技術で
大好きな車に関わる仕事に
大学ではバイオ分野を学び、卒業後は貴金属のリサイクル会社で排水の分析などをする仕事に。転職を考えた際、「大好きな車に関わりたい」とダイハツ工業に入ったという松田さん。前職で培った分析の知識と技術を生かした部署で、カーボンニュートラルに関する先行開発を担当しています。ダイハツ工業の魅力は、「開発に関する一連の流れ全てに携われること。まだ世に出ていない技術の先行開発を担当できていることにやりがいを感じます。女性だから難しいと感じたことはなく、誰でも活躍できる職場です」とのこと。失敗しても、積極的に挑戦したことを評価してくれることがこの会社のいいところ。松田さん自身、「新しい技術で世の中をもっと便利にしたい」と目標に向かって日々奮闘しています。
「手に職」がある安心感
最前線の現場で活躍する松田さんは、3歳と2歳のヤンチャ盛りの息子さんたちを育てるママ。産休・育休を経て復帰した現在も、時短勤務や在宅ワークなどの制度と周囲の理解で、仕事と子育ての両立ができているといいます。「学生の時には、ぜひいろんなことに挑戦してほしい。そこで得た知識や技術が仕事につながったりします。技術を身に付けてきたおかげで、いわゆる“手に職”があるのはありがたいこと。将来への安心感も変わってくると思いますよ」と、理系女子にエールを送ってくれました。
大学生の頃『頭文字(イニシャル)D』という漫画にハマったのが車好きになったきっかけだという松田さん。スポーツカーが大好きで育児をする前まではマニュアル車に乗っていたそう
仕事をする上で、女性・男性の違いや向き不向きを感じたことはないのだとか
ダイハツ工業株式会社 九州開発センター
所在地:久留米市田主丸町吉本1-2
問い合わせ:[電話]0943-72-7700
全員で一つになって
何かを完成させる喜び
株式会社へいせい
土木部
佐伯(さいき) のり子さん
男女問わず活躍できる
建設ディレクターの仕事
建設会社を営む家に生まれ、「将来は土木の道へ」と当たり前に思っていたという佐伯さん。同時に「経理の資格もあった方が良い」とアドバイスを受け、土木と経理の専門知識・技術を得て就職。現場監督や施工管理、経理など幅広く経験してきました。
現在、佐伯さんが働く株式会社へいせいは、女性が多く活躍しています。佐伯さんが担う「建設ディレクター」とは、工事の施工に必要な書類の作成などを行い、現場監督と事務所の架け橋になる仕事。「技術者の負担を減らして現場が円滑に動くよう支援しながら、みんなで一丸となってものづくりをするのが楽しい」と佐伯さんは話します。建設ディレクターは、働き方改革に取り組む業界全体で増加中。重労働ではないこともあって女性のなり手が多いといいます。「建設分野にこういう仕事もあるんだよっていうことをまず知ってもらい、ぜひ就職の選択肢の一つに入れてほしいですね」。
同じ業界で働く息子たちに
「負けていられない」
佐伯さんには2人の息子さんがいますが、2人が働くのも建設産業。先輩としてアドバイスをしながらも、ICT化が進むなど、業界内の新しい動きについては2人から教えてもらい、親子でよく仕事の話を楽しんでいるそう。「まだまだ2人には負けていられません」と、先輩として、母として、2つの顔でほほ笑む姿がとても印象的でした。
長く建設産業に携わってきたからこそ、「業界内で活躍する女性が増えていることに喜びを感じている」と佐伯さん
活躍する女性とともに増えてきたのは、海外からの技能実習生や外国人の社員たち
現場監督も経験してきた佐伯さんだからこそ、女性・男性関係なく若い仲間たちに伝えられることがたくさんあります
株式会社へいせい
所在地:糸島市前原西5-1-31
問い合わせ:[電話]092-324-1111