ふくおか 新・日常の旅③
豊前市山内~久路土
日常にある福岡の魅力を自分らしく再発見する「新・日常の旅」。今回は北九州エリアから豊前市の知られざるスポットをご紹介。神楽(かぐら)が息づく昔ながらの町並みにたたずむユニークな古民家ショップから、新たな日常を見つけました。
いつもなら囃子(はやし)が聞こえる神楽の里で古民家巡る楽しみを
あちこちからお囃子が聞こえて、その音色で子どもたちが神楽の場面を思い出す…普段ならそんな日常がある豊前市。自然の恵みに感謝し秋の豊作を祝う秋祭りはコロナ禍で神事のみが行われ、今年も神楽の奉納はありませんでした。「いつもなら、にぎわいの中で神楽が奉納されるのですが…」と話す嘯吹八幡(うそぶきはちまん)神社宮司の初山吉章(はつやまよしふみ)さん。神社のある山内地区は修験者たちが聖地とした求菩提山(くぼてさん)の麓(ふもと)にあり、社前に広がる豊かな稲穂や山々から緩やかに下る田畑の連なりが、ずっと変わらない時を伝えています。
神社から求菩提山の方角に進むと、田園が広がるのどかな集落の中に一軒の古民家ショップ「yama no ouchi(やまのおうち)」を発見。昔ながらの日本家屋をリノベーションした懐かしい空間で、子ども服や生活雑貨を販売しています。そして、少し離れた豊前インターそばの久路土(きゅうろつち)交差点には、昭和初期の郵便局がそのまま生かされた「STAMP FURNITURE(スタンプ ファニチャー)」という北欧風家具のお店が。この地域には近年、昔ながらの建物を生かしたユニークなお店が次々と登場しているそう。店主の優しい笑顔が、心地よい空間の中で好きな営みを続ける幸せを語っていました。
神楽が人々の生活に深く根付いている豊前市。古いものを大切に伝え続ける人々の姿が、昔ながらの町並みにたたずむ古民家ショップからも感じられる、そんな新たな発見がある素敵な旅になりました。