「列車でふくおかさんぽ」の第4回目は、
“へいちく”の愛称で地域の方々に
広く親しまれている平成筑豊鉄道です。
四季折々に美しい自然が広がる車窓の風景を生かした
「観光列車」もご紹介します。
鉄道写真家
福島啓和
(ふくしま ひろかず)さん
平成筑豊鉄道 経営企画室長
伊藤英彦
(いとう ひでひこ)さん
観光列車「ことこと列車」は、車窓の景色とフレンチのコースをおよそ3時間のクルーズで、ゆっくり満喫できます。
JTB九州 MICEサポートセンター
電話 092-751-2102
営業時間 9時30分から17時30分
休日 土曜・日曜日、祝日
平成筑豊鉄道は、直方駅から田川伊田駅までを走る「伊田線」、金田駅から田川後藤寺駅までをつなぐ「糸田線」、そして、行橋駅から田川伊田駅までを走る「田川線」の全長49・2キロの路線を運行しています。明治26(1893)年の開通時は、日本の近代化を支えた石炭を輸送する鉄道に使用されていました。平成元(1989)年に、平成筑豊鉄道がJR九州から事業を引き継いだ後も、ディーゼルエンジンを動力源とした車両が走り続けています。経営企画室長の伊藤英彦さんは「区間によっては、里山と呼ぶにふさわしい風景の中を走ります。まさに、日本の原風景を感じることができる景色に出会えますよ」と、路線の魅力を教えてくれました。
改修中の田川伊田駅。駅と直結した宿泊施設や観光案内所を設置し、新たな観光拠点に生まれ変わる(平成31年4月完成予定)
田川線下りの赤駅周辺の風景。タイミングが合えば、菜の花と山桜のグラデーションが楽しめる
「へいちく」は、主に通勤、通学の手段として地域で親しまれています。朝・夕の利用者が多い時間帯には、15分から20分置きに運行しています。
そうした中、新たに、地域の魅力を楽しむことができる観光列車の運行が始まりました。
それが、沿線の農産物が主役のフランス料理を味わえるレストラン列車「ことこと列車」。「ゆっくり・おいしい・楽しい」をコンセプトにした“ことこと”の愛称には、「祭事(まつりごと)、物事(ものごと)、人事(ひとごと)」を乗せてゆっくりゆっくり走るイメージが込められています。車両をデザインしたのは、日本の観光列車ブームの火付け役、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」を手掛けた水戸岡鋭治(みとおか えいじ)さん。沿線の豊かな緑や青い空を車体に映し出す深紅の車体。車内は天井のステンドグラスから柔らかな光が注がれ、穏やかさに包まれます。また、ついたてには、大川市の伝統工芸品「大川組子」が使用されており、木のぬくもりを感じられるなど、日常から離れた旅を楽しむのにふさわしい豪華なデザインです。
途中、沿線の駅舎に寄って、そのレトロな建物を楽しんだり、地元の物産をそろえたマルシェも楽しめるようになっています。およそ3時間の列車クルーズは、“へいちく”の沿線の魅力を満載にして走り出しました。
「ことこと列車」の内装。高級感ある内装に仕上がっており、ぜいたくな雰囲気の旅が楽しめる
数多くの列車デザインを手掛ける水戸岡鋭治さん(左)と小川知事
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