県では、県民の皆さんが性の多様性について正しい理解と認識を深め、性的少数者の人が安心して生活し、活躍できる福岡県の実現を目指しています。
性的指向や性自認にかかわらず、人生を共にしたい人と安心して生活できるよう、4月1日から新たに、「パートナーシップ宣誓制度」を開始します。
性の多様性とは?
LGBTという言葉を聞いたことはありますか?
レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)の頭文字をまとめたもので、性的少数者の総称の一つです。他にも、アセクシュアル(他者に性愛感情を抱かない人)やクエスチョニング(自分の性的指向や性自認が決められない、またはあえて決めない人)など、さまざまな人がいます。
各種調査(※)によると、人口の3~10%が性的少数者と考えられます。しかし、周囲の無理解や偏見を恐れて、伝えることができない人も多く、性的少数者の人が身近にいることに気付いていない人も少なくありません。
(※)三重県男女共同参画センター、日高庸晴 宝塚大教授による共同研究 高校生一万人アンケート(2017)、電通ダイバーシティ・ラボ(2018)、大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生に関するアンケート(2019)大事なことは・・・
性的少数者の人が身近にいることを知って、理解することです。そして、それぞれの人にとっての「自然」や「当たり前」をお互いに認め、尊重し合うことが大切です。
リアルな声を聴いてみました!
性的少数者のカップルもパートナーとして歩めたら
私は女性として生まれましたが、心は男性で、女性のパートナーがいます。私はその人と結婚したかったので、性別適合手術を受けて戸籍上の性別を男性に変えました。このことで預金や家といった資産の相続人を妻にすることができましたが、同性同士では難しいこともあります。また、手術を受けてまで性別を変えたくないと思っている人もいます。宣誓制度のスタートが、性的少数者のカップルもパートナーとして歩んでいけるきっかけになることを願っています。
「こういう人もいるよ」と柔らかく伝わる世の中に
私は男性として生まれましたが、女性らしく生きたいという葛藤に苦しみ、2年前から家族の気持ちも考えながら、少しずつ自分に正直に生き始めました。家族は理解と葛藤が半々のようですが、私自身がありのまま過ごし、明るくなったことで少しずつ受け入れてくれています。「多様性」という言葉を嫌う人もいますが、押しつけではなく歩み寄りを大切にする思いを知ってもらうことで、「こういう人もいるんだな」と柔らかく伝わる世の中になるといいなと思います。
普通に「パートナーです!」と胸を張って言えるように
私のセクシャリティはゲイで、長年連れ添っているパートナーと一緒に暮らしています。ある日、パートナーと一緒に病院に行った時、聞きにくそうに互いの関係性を聞かれ、違和感を感じたことがありました。こんな時、普通に「パートナーです!」と胸を張って言えるような世の中になればいいなと思います。福岡県の取り組みが、住宅や保険、病院など多くの民間企業で「性の多様性」について考えるきっかけになることを期待しています。
どんな制度?
双方または一方が性的少数者のカップルが、日常生活において相互に協力し合い、人生を共にすることを県に宣誓し、県が「パートナーシップ宣誓書受領証カード」を交付する制度です。
要件は?
- 成年であること
- 県内居住か転入予定であること
- 独身であること
- 近親者でないこと
必要な書類は?
宣誓書の提出時に、住民票の写し、独身証明書(本籍地の市町村役場が発行)、本人確認書類(運転免許証など)を添付
手続きの流れ
受領証カードによって利用できる県のサービス
- パートナーとの県営住宅の入居申込
- パートナーとの県住宅供給公社の賃貸住宅の入居申込
- 県立太宰府病院での病状説明・治療方針の同意
- 生計同一世帯のパートナーとの生活保護申請
- 障がいのある人の同居パートナーに対する自動車税減免申請
今後、サービス拡充のため、市町村や民間企業などにも協力を呼びかけます。
Ally(アライ)になろう!
- Allyとは、性的少数者のことを理解し、自分にできることは何かを考えて行動する支援者のことです。
- 性の多様性を深めるきっかけとなるよう、レインボーストラップをイベントなどで配布しています。
レインボーストラップ
問い合わせ:人権・同和対策局調整課 ☎092-643-3325 ファクス092-643-3326
電子メール:chosei@pref.fukuoka.lg.jp