福岡でもすっかり冬の風物詩となったカキ小屋。糸島市では10月下旬から4月上旬にかけて、おいしい「糸島カキ」を楽しめます。
近年、福岡の冬を楽しむ味覚として焼きカキが大人気。海のミルクと呼ばれ栄養価も高いカキは、育つ海の環境が大切です。糸島半島の海岸は脊振山系の山々の河川から豊富な栄養がたくさん海に流れ込み、波も穏やかなため、カキの養殖にぴったり。現在は6つの地区(岐志(きし)、福吉(ふくよし)、深江(ふかえ)、加布里(かふり)、船越(ふなこし)、野北(のきた))の港でカキの養殖を行っており、常設された約30軒のカキ小屋で「糸島カキ」の味わいを楽しませてくれます。
「カキは年明けごろに身入りが良くなり、旬を迎えます。今季もたくさんの人に味わってもらいたいですね」と話すのは岐志漁港で17年前からカキの養殖を続けている「大栄丸」の西島満幸(にしじま みつゆき)さん。何艘(なんそう)も浮かぶ筏(いかだ)の下にはひもでつり下げられたカキがびっしり。そのひもを1本ずつ力強く巻き上げて水揚げし、港に戻って仕分け作業へ。大量のカキを一つずつ確認し、殻に付着したフジツボなどを丁寧に手作業で落としていきます。その後、紫外線殺菌をした海水に24時間浸して身を浄化し、安心な状態で出荷します。
イカ釣り漁も行っている西島さんは、カキ小屋でもイカの天日干しを販売するそう。多くの漁師たちがカキの養殖と並行して得意な漁を行い、オリジナルメニューを提供しています。糸島のカキ小屋でお気に入りの店を見つけるのも楽しみの一つ。これから寒さが増すにつれてカキの身はどんどん大きくなり、うま味が凝縮されていきます。濃厚な味わいの「糸島カキ」をぜひ堪能してください。
水深7メートル程度までひもをつるしてカキを育てる。大きく育ったカキの引き上げは、不安定な筏上での力仕事
筏上での水揚げ作業
筏上での水揚げ作業
丁寧に仕分けし、フジツボなどを落とす。サイズが小さいカキは再び海に戻し、大きく成長するまで待つ
岐志では昨年、ビニールの仮設小屋から鉄骨の常設平屋に全面リニューアル。また、カキ小屋では「糸島カキ」の他、地元の魚介類を味わえる
「糸島カキ」を味わえるカキ小屋の一覧はこちら▼
(糸島漁協ホームページ)
今季は各店舗で新型コロナウイルス感染防止対策を実施しながら営業中
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