福岡県内の和牛生産者が12カ月以上、福岡県産の稲わらや飼料用米を与えて育てた、肉質等級3以上の黒毛和牛を「博多和牛」と呼びます。安心・安全がギュッと詰まったおいしい牛肉です。
飯塚市郊外にある森本牧場。こちらの牛舎にはモーツァルトの曲が流れています。「1頭1頭、大切な牛なので穏やかに過ごしてほしいんです」と話す2代目の森本義彦(もりもと よしひこ)さんは、会社勤めを経て10年前から和牛生産者に。牛を肥育する上で一番気を付けていることは“牛にストレスを与えないこと”。牛舎に詰め込むような飼い方はせず、穏やかに過ごせるようスペースを確保しています。毎日食べ残した飼料を量り、ふんの状態を確認する他、敷料(しきりょう)のおがくずを定期的にならすのも欠かしません。
飼料には県産の稲わらを基本としながら、大麦などのビールかすや米ぬかを混ぜることで消化吸収を助け、脂の質を高めています。
全ての牛は、肉質が良いといわれる血統の黒毛和牛で、仔牛の時に鹿児島や宮崎などから購入します。「繁殖農家さんが育てた仔牛の力を100パーセント引き出せるように育てたいといつも思っています」と森本さん。最近では試験的に牛の体調をスマートフォンで確認できるシステムにもチャレンジしています。
そんな中、3月に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症は、博多和牛の需要にも影響を及ぼしています。それでも、「こんなときだからこそ、脂も甘く、赤身は柔らかい博多和牛を食べて元気になってもらいたいですね。肉質はきめが細かく、締まりもいいので歯触りがいいんです。博多和牛をもっとたくさんの人に知ってもらえるとうれしい」と語ります。また、森本さんは「お肉で人を喜ばせたい」との思いで、バーベキューインストラクターとしても活躍中です。
牛舎ではいつも「うちに来てくれてありがとう」と牛たちに笑顔で話し掛けながら、約22カ月その成長を見守るそう。
生産者の愛情をたっぷりと受けて育てられている博多和牛を、ぜひご賞味ください。
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スマートフォンで牛の活動量や反すう(※)の時間を知ることができる
※反すう:一度飲み込んだ食べ物を口の中に戻し、再びかんで飲み込むこと
朝と夕の2回、それぞれ2時間かけて餌やりを
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