今年は多くの祭りの開催が見送られることになりました。
祭りに関わる地域の方々や楽しみにしていた皆さんの思いも来年へ。
福岡を代表する3つの祭りについてお話を伺いました。
例年7月1日から15日に開催
1979年 国指定重要無形民俗文化財指定
2016年 ユネスコ無形文化遺産登録
博多祇園山笠振興会 会長
武田忠也(たけだ ただなり)さん
1241年、承天寺(じょうてんじ)の開祖・聖一国師(しょういちこくし)が疫病退散を祈願して、町民が担いだ祭壇・施餓鬼棚(せがきたな)に乗り、祈祷水(きとうすい)をまいて街を清めてまわったことが起源とされる博多祇園山笠。
例年7月1日から15日にかけて行われる祭りの期間中は、福岡市内各所に絢爛豪華(けんらんごうか)な「飾り山笠」が立ち並び、博多の男たちが勇壮豪快(ゆうそうごうかい)な「舁(か)き山笠」を担いで博多の街を駆け巡ることで知られ、およそ300万人もの人出があります。2016年には、ユネスコ無形文化遺産に登録された博多伝統の夏祭りです。
「県外にいる山笠の舁き手は、この時期になると祭りのために地元に帰ってきます」と話すのは子どもの時から山笠に参加している会長の武田忠也さん。
「昨年会長に就任し、今年の開催に向けて準備を進めてきましたが、いくら疫病退散の祭りとはいえ開催は無理だろうと、4月20日の総会において全流(ながれ)一致で来年への延期を決めました」。延期は中止と違い、「追い山」などの順番はそのまま来年に持ち越されます。
今年は疫病退散を祈願する7月15日の神事のみを関係者だけで行う予定。長い歴史の中で開催の延期は、太平洋戦争で中断し、1948年に復活して以降初めてとなります。「山笠は、山を舁く我々、支えてくれるごりょんさん(※)、心待ちにしていただいている市民や旅行者の皆さまなど、みんなで作り上げていくものです。赤ちゃんからお年寄りまで参加するお祭りですし、ここは一年我慢して、来年に期待していただき立派な山笠を奉納したいと思います」と思いを新たにしています。
※ごりょんさん:山笠に出る男たちの妻
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