平成17年の合併で新しい久留米が誕生した際、「合併後のまちの魅力をどう発信していくか」が課題の一つになったといいます。そうした状況を踏まえ、地域資源を活用したまちづくりを通じて久留米のブランド力を高めようと、平成24年に設立されたのが、「久留米ブランド研究会」です。
その主な活動は、体験交流型観光プログラム「久留米まち旅博覧会」(まち旅)と名物のラーメンや焼きとりなどをお得に楽しむことができる「久留米くるくるチケット」の運営。特に、寺社や商店、病院、工場、鉄道など市内のあらゆる業種の企業や団体が自ら考えた企画を、厳選し磨き上げた「まち旅」は、毎年申し込みが殺到し、予約を取るのが難しいほどの人気ぶり。「久留米らしさや新しさにこだわった企画は、市内外のたくさんの方に好評いただいています」と、自信を持って地域の魅力を発信しています。
「まち旅」では、10月と11月の2カ月間、「JR久留米駅バックヤードツアー」など、80の体験型企画が開催される
「久留米まち旅博覧会」の取り組みが高い評価を受け、平成27年には国土交通省の「地域づくり表彰」で国土交通大臣賞を受賞
「私たちはプログラムを企画する企業や団体と参加されるお客さまとの橋渡し役」と事務局長の矢次恵美子(やつぎえみこ)さん(下段・左)
ダンスを通じて世界に羽ばたく人材を育てる「スタジオMJダンススクール」は、3歳から40歳まで、幅広い年齢のメンバー100人以上が在籍。地元・久留米はもちろん、県外のイベントに出演するほか、海外で活躍するメンバーもいる話題のダンススクールです。中でも、エンターテインメント性の高いパフォーマンスで多くの人を魅了しているのが、ブレイクダンスのキッズダンサーチーム「九州男児新鮮組」。CM出演や、ブレイクダンスの世界大会で優勝を果たしたメンバーも在籍しており、テレビや雑誌からのオファーで引っ張りだこです。
22年前の開校当時はイベント出演さえかなわなかったというスタジオMJ。今でもその頃の思いを忘れず、地元の小さなイベントにも積極的に参加し、久留米を大いに盛り上げています。
久留米市のキャラクター「くるっぱ」が「九州男児新鮮組」に加入。素晴らしいダンスを披露しているのだとか
「私たちを育ててくれた久留米のまちに恩返しをしていきたい」と話すインストラクターのSHUVANさん(最前列中央)と教え子のダンサーたち
アクロバティックな演出も「九州男児新鮮組」の魅力
平成27年に発足した「久留米移住計画」は、久留米市内でリノベーションした賃貸アパートを経営する代表の半田啓祐(はんだけいすけ)さんをはじめ、女性の起業サポートを行う中村路子(なかむらみちこ)さんなど、地元久留米でそれぞれに活躍する30代のメンバーが集まって結成。久留米へのUターンや移住、二拠点居住に興味を持つ人の相談に応じるだけでなく、短期間のお試し移住や視察ツアー、東京や大阪でのトークライブなど、若い世代ならではの感性で移住推進につながるイベントを数多く開催しています。
「自然豊かだけど30万都市で交通の便もいい。移住をキーワードに、久留米のアピールポイントを発信していけたら」と半田さん。単に移住を勧めるだけではなく、久留米のまちや暮らしを楽しむ提案を行っていくことで、久留米をたくさんの人の故郷にしたいと考えています。
「久留米フェスティバルin天神」では、ブース内にミカンが置かれたコタツだけを用意し、訪れた人とまったり久留米トークを行うというユニークなスタイルが話題に
年に2回程度、東京や大阪でトークライブを開催
「久留米は自分らしく、楽しく暮らせるまち。それを発信していきたい」と話す半田さん(左)と中村さん(右)
広大な水田が広がる久留米市三潴町は、米の裏作としてハトムギの生産が盛んな地域。全国でも有数の生産地として知られています。ハトムギは穀物の中でも栄養価が高く、美容・健康への効果が高いとされています。「安心・安全な久留米産のハトムギをたくさんの方に食べてもらいたい」と、平成22年に久留米南部商工会が中心となり、「はとむぎプロジェクト」を発足。和洋菓子店や酒造会社、化粧品メーカーなど、ジャンルを超えた企業や店舗が参加し、商品開発や販路開拓に取り組んでいます。
県内のイベントはもちろん、東京の物産展などにも積極的に参加し、久留米ならではの新たな特産品としてさまざまなハトムギ製品を紹介。メンバーは「ハトムギの魅力を知ってもらうことから始めたが、販売にもさらに力を入れていきたい」と抱負を語ります。
「お土産やギフトとして活用してもらうなど、まずは地元から盛り上げていければ」と話す、はとむぎプロジェクトのメンバー
協力企業・店舗が独自に開発し、販売している多種多様なハトムギ製品
平成27年11月に東京ビッグサイトで開催された「地方銀行フードセレクション」では、来場者にハトムギ製品の魅力を紹介
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