将来、市場規模の拡大が見込まれる成長産業。福岡県は従来から大学などの高度な研究機関と優れた技術を持つものづくり企業が多く、バイオ産業や宇宙産業などの分野に大きな優位性があります。このため、県内の成長産業分野への企業の参入と集積に力を注いでいます。
地域バイオコミュニティに認定
これまで県と久留米市が連携し、久留米地域を中心に推進してきたバイオ関連企業などの集積を目指す「福岡バイオバレープロジェクト」の取り組みが評価され、今年6月、内閣府から「地域バイオコミュニティ」の第1号として認定されました。


バイオってどんなもの?
バイオ(バイオテクノロジー)は、生物の働きを利用して人々の暮らしに役立てる技術で、味噌などの「発酵」や野菜などの「品種改良」もバイオの1つです。
近年ではiPS細胞などの再生医療や微生物を使ったバイオ燃料、また、機能性表示食品の開発など、医療・環境・食品と、さまざまな分野に活用されています。

バイオ産業がより身近な存在に
一滴の尿でがんリスクを判定!
線虫ががん患者の尿に近づく習性を利用して、がんのリスクを判定する技術「N-NOSE」を(株)HIROTSUバイオサイエンスが開発。簡便、安価、高精度(判定精度約85%)が特徴で、がん検診の受診率向上やがんの早期発見・早期治療が進み、健康寿命の延伸が期待されています。

新型コロナ治療薬の開発に着手
県は、(株)ボナックと共同して、次世代の薬として注目される「核酸医薬」の技術を用いた新型コロナ治療薬の開発を行っています。今年、国の事業に採択され、今後3年半で50億円の支援を受けることとなりました。現在、来年度の治験開始を目指して研究が進められています。

問い合わせ:新産業振興課〔バイオについて〕 ☎092-643-3448 ファクス092-643-3421
宇宙ビジネス創出推進自治体に選定
本県にはロボット、IoT、AI、軽量Rubyなど、宇宙ビジネスに参入し得る優れた技術を持つハード・ソフト企業が集積。こうした県の強みと宇宙ビジネス振興の取り組みが高く評価され、令和2年9月、国(内閣府、経済産業省)から「宇宙ビジネス創出推進自治体」に選定されました。
福岡から宇宙へ!宇宙ビジネスへの挑戦
九州大学発の宇宙ベンチャー企業(株)QPS研究所が、県内17社のものづくり企業と協力して世界最高レベルの小型レーダー衛星を開発。令和元年12月には初号機「イザナギ」がインドで、令和3年1月には二号機「イザナミ」が米国で打ち上げられました。
宇宙ビジネスは、十数年後には国内市場規模が現在の2倍の約2.4兆円に膨らむと期待されています。
県では、今後も宇宙機器開発に挑戦する中小企業の支援に取り組んでいきます。


宇宙から届くデータを活用して、無限の可能性に挑戦
(株)QPS研究所では、令和7年を目標に計36機の衛星の打ち上げを行い、天候や昼夜を問わず10分ごとに世界中どこでも観測できる「準リアルタイムマップ」の実現を目指しています。
衛星データを活用した、県民の皆さまの生活がより便利になる新たなビジネスがこれから動き出します。
衛星データの活用例

打ち上げられた衛星からは、天候や昼夜問わず地上の詳細な様子がわかるデータの取得が可能に!
- ◆災害時、寸断された道路などの被災状況を迅速に確認!
- ◆道路や線路などの数ミリ単位の変化を察知して事前の点検や修理が可能に!
問い合わせ:新産業振興課〔宇宙について〕 ☎092-643-3453 ファクス092-643-3421