福岡の八女茶 発祥600年
八女茶のおいしさを未来へ
八女茶は室町時代の1423年、中国から帰国した栄林周瑞禅師(えいりんしゅうずいぜんじ)が現在の八女市黒木町の庄屋・松尾太郎五郎久家(まつおたろうごろうひさいえ)の援助を受け、霊巌寺(れいがんじ)を建立し、持ち帰った茶の種子と製茶技法を伝えたことが始まりとされています。高い品質を誇る八女茶は今年で600年という大きな節目を迎え、未来へ伝統を継承していきます。
八女茶のおいしさを未来へ
八女茶は室町時代の1423年、中国から帰国した栄林周瑞禅師(えいりんしゅうずいぜんじ)が現在の八女市黒木町の庄屋・松尾太郎五郎久家(まつおたろうごろうひさいえ)の援助を受け、霊巌寺(れいがんじ)を建立し、持ち帰った茶の種子と製茶技法を伝えたことが始まりとされています。高い品質を誇る八女茶は今年で600年という大きな節目を迎え、未来へ伝統を継承していきます。
八女茶はうま味とコクがあり、まろやかな味と爽やかな香りが特長です。
主な生産地は、矢部川の流域に広がる八女地域。適度な降雨があり、昼夜の寒暖差が大きいため霧が発生しやすく、上質なお茶の栽培に適しています。
高い品質を保つために、土づくりなど工夫し、茶園それぞれで味わいを整えたオリジナル商品が作られています。
煎茶は、主に平坦地や丘陵地で生産され、日光を十分浴びた茶葉です。玉露は、中山間地で生産されており、茶摘みの約20日前から日光を遮って栽培しています。
再び熱風を使い、もみながら乾かす
お茶の形や大きさを整える
特別な時間にゆっくりと楽しんで
JAふくおか八女 茶業部会副部会長
徳永 毅(とくなが たけし)さん
八女市では、高級茶の玉露を生産しています。
特に「八女伝統本玉露」は2015(平成27)年に日本茶で初めてGI※登録されたことで八女茶ブランドを高めました。その生産は、茶樹の枝を年に一度しか剪定しない自然仕立ての栽培で、収穫前の約20日間は、茶畑に建てた棚の上に、わらを載せて被覆します。遮光をするタイミングが大事で、早すぎても、遅すぎてもダメ。最低2回くらいに分けて徐々に遮光し、丁寧に手摘みするなど伝統的な手法で、うま味や甘みが増すように仕上げていきます。
「八女伝統本玉露」は、40~45度くらいに冷ましたお湯で、約3~4分ゆっくり抽出して飲んでみてください。お茶でぜいたくしたいな、そんな特別な時間を楽しんでほしいと思います。温度を上げながら三煎目まで楽しんだら、茶葉も食べていただけます。ポン酢でさっぱり食べてもいいですし、私たちはしょうゆや、みりんで佃煮にして楽しんでいますよ。
八女茶発祥600年の「歴史と伝統」、八女茶の「品質の高さ」を表したマークです。八女茶本来の色である「黄金色」を中心に配置し、高級感をイメージしています。さらに600を構成する6本のラインは1本が100年を表し、八女市の「八」をイメージした八角形で表現。代々受け継がれてきた製法、何代も続く伝統と歴史を表現し、未来へ継承する八女茶の象徴として使われます。
8月から10月に毎年開催される「全国お茶まつり」。今年は福岡県に茶業関係者が結集して、お茶の生産技術向上と消費拡大を図るために、さまざまな行事を展開しています。
主な開催行事の一つである「全国茶品評会」は、お茶の出来栄えを競うもので、8月22日から25日に開催されました。「玉露の部」では八女茶の主産地である福岡県八女市が23年連続となる産地賞を、倉住努(くらずみつとむ)氏が最高賞の農林水産大臣賞を獲得し、八女茶の品質の高さを改めて全国に示すことができました。
10月28日、29日には八女茶の消費拡大を図り、八女茶のおいしさ・素晴らしさを体験できるイベントが開催されます。
日 時
会 場
内 容
同時開催
この機会に急須で味わうおいしさを
JAふくおか八女 茶業部会部会長
江島一信(えしま かずのぶ)さん
全国茶品評会の産地賞は「日本一のお茶どころ」ということ。八女市は今年も、「玉露の部」で産地賞を受賞しました。このようなブランドづくりは産地全体で取り組まないとうまくいきません。先人の皆さんが八女茶を全国に知ってもらおうと努力を続け、農林水産大臣賞の受賞や上位に入賞してきたことが産地のブランド力向上につながっています。先人の努力の積み重ねがあって今に至っていると思っています。
今年は八女茶発祥600年という節目の年で、全国お茶まつりも福岡県で開催されます。
ペットボトルのお茶があるため急須を使わない家庭も増えていますが、おいしいお茶を楽しみたいという皆さんのために、品質を落とさないよう、今が踏ん張りどころ。この機会に急須を使っておいしい八女茶を飲むというスタイルを発信していけたらと考えています。
世界各国への緑茶の輸出が増えています。その中でも日本一のおいしさを誇る八女茶は、今や世界が注目するお茶となり、海外からの問い合わせも増加中。世界に八女茶のおいしさを届けるため、さらなる輸出拡大に向けた取り組みを行っています。
八女茶を使った料理をPR
茶専門店における八女茶講座
八女茶と食事のペアリング試食会
1.ティーサーバーに冷水を入れます。冷水は軟水(硬度100未満・pH7前後)がおすすめ。水1リットルに対し、水出し用のティーバッグを4~5パック入れて冷蔵庫で4時間ほど静置
2.抽出後は時間の経過とともに緑色の鮮やかさがなくなるので、その日のうちにお飲みください
JAふくおか八女
詳しくはこちら[住所]八女市本村420-1
[電話]0943-23-3110
お茶を学び、味わい、体験することができる茶の文化館では、八女伝統本玉露を「しずく茶」というオリジナルの飲み方で味わうことができます。
「しずく茶」は、ふた付きの茶碗を用いて、 一煎目は約45度に冷ましたお湯を茶葉が浸る程度に静かに注ぎ、2分ほど待ってから、ふたをずらしてぽたぽたと隙間から落ちてくるしずくをすするように飲みます。濃厚なうま味と香りをゆっくりと口全体で味わってください。二煎目、三煎目は約60度のお湯を注ぎ、20秒ほど待ってお茶をすすってください。
回数を重ねるごとに、コクのある深い味わいから爽やかな渋みへと変化する様も楽しめます。
残った茶葉は柔らかく、ビタミン・ミネラルも豊富。酢じょうゆや岩塩などを付けて、そのままいただけます。
また、施設内の「八女茶工房」では、抹茶ひきや手もみ緑茶作りなどお茶に関する体験も楽しむことができます。
茶の文化館
詳しくはこちら[住所]八女市星野村10816-5(九州自動車道八女 ICから車で約50分)
[電話]0943-52-3003
お茶屋さんが経営するカフェで、本格的な抹茶や八女茶スイーツを楽しもう。
八女抹茶プリンパフェ
濃茶パンケーキ
牛島製茶 和cafe Leaf Heart 筑後けやき通り店
八女茶をもっと多くの人に知ってもらいたい、八女に足を運んでもらうきっかけをつくりたいという思いから八女茶カフェを始めて約20年。1番人気の八女抹茶パフェやアイスに抹茶をかけるアフォガード、どら焼きの生地を使ったパンケーキなどお茶スイーツが楽しめます。
詳しくはこちら[住所]筑後市徳久180-6(九州自動車道八女 ICから車で約5分)
[電話]0942-52-5288
抹茶シフォンケーキ
白玉クリーム抹茶アイス
八女美緑園製茶 八女茶カフェぶんぶく
八女茶の栽培から製造、販売まで、自分たちの手で行い、安心・安全にも徹底してこだわっています。直営店に併設している八女茶カフェは、八女杉をふんだんに使い、木のぬくもりが感じられる落ち着いた空間。八女茶を自分で淹れて、抹茶アイスやシフォンケーキと一緒に楽しむことができます。急須で淹れるお茶のおいしさをぜひ。
詳しくはこちら[住所]八女市豊福269-2(九州自動車道広川 ICから車で約10分)
[電話]0943-24-2000