ハヤ(オイカワ)
体長約15センチメートルのコイ科の淡水魚。冬は動きが鈍くなり身が締まり特に美味
八女市の山間部を源とする矢部川では、アユ、モクズガニなど多くの川の恵みが育まれています。中でもハヤ(オイカワ)の甘露煮は、流域のふるさとの味として地元を離れた人にも人気です。新鮮なハヤの内臓を取り除き、ウロコをつけたまま煮るのがコツ。昔ながらの甘くコクのある味付けで、約3時間かけてコトコト煮込みます。
問い合わせ 矢部川漁協
電話0943-23-3313
ファクス0943-24-5735
矢部川漁協理事
片小田政司(かたこた まさし)さん
祖父の代から川漁師。上流から中流域で刺網や投網を使ってハヤ漁をする
ハヤの甘露煮。数回に分けて調味料を加える。火を止めるタイミングが難しい
甘露煮に向いているのは体長8センチメートルほどの小型のハヤ
毎年エツ解禁日の5月1日に、大川市に初夏の訪れを告げる「大川えつ観光川開き」が行われます。式典では、エツの豊漁と遊覧船の安全運航を祈願する神事のほか、弘法大師が筑後川に流した葦(よし)の葉がエツになったという伝説にならって、葦の葉流しが行われます。7月20日までの漁期間中は「えつ遊覧船」でエツ料理を楽しむことができます。
川開きの神事は大川市の若津港で厳かに行われた。エツ漁は7月20日まで
エツを刺し身にして川や海の神にささげる「包丁始め」
スイゼンジノリは筑後川水系の黄金川だけに自生する幻の逸品で、江戸時代は徳川将軍家への献上品でした。鮮やかな緑とツルンとした食感が涼を呼びます。生ノリをすりつぶして素焼の瓦に塗って乾燥させたノリは、冠婚葬祭や季節の膳を彩ります。
問い合わせ あさくら観光協会
電話0946-24-6758
ファクス0946-24-9015
遠藤金川(かながわ)堂
遠藤淳(えんどう じゅん)さん
約300年前から高級珍味として食されるスイゼンジノリを育て、加工・販売。川の水質保全にも努める
代表的な食べ方は酢の物。水洗い後、さっと熱湯にくぐらせ三杯酢で味わう
縁起物の細工を施した乾燥ノリ。1時間ほど水に戻し、椀物に添える
夜の川面を灯りで照らし、巧みな手綱(たづな)づかいで鵜を操りながら、アユなどの川魚を捕獲する「鵜飼(うかい)」。筑後川中流では、8世紀初頭には鵜飼が始まっていたと伝わります。「鵜は一瞬で川魚を仕留めるので、網や竿で獲るより鮮度がいい」と話すのは、全国でも珍しい女性鵜匠の岩下都子さん。野生の鵜が漁に出られるよう慣らすのに最低半年かけるそうです。
岩下さんは、時間と技術を要する鵜飼に誇りを持ち、歴史ある漁を受け継ぎ守っています。
5月の漁解禁に合わせ、屋形船で獲れたてを食べる「えつ遊覧船」が登場します。刺し身や煮付けなどのエツ料理を味わいながらの風情ある船遊びは、大川の夏の風物詩です。
問い合わせ 大川観光情報センター
電話/ファクス 0944-87-0923
船内では、刺し身や寿司、煮付け、南蛮漬けなどのエツづくしの料理が提供される
遊覧船からは2人1組で漁をする様子を見ることもできる
5月20日から9月末まで行われる「原鶴温泉の鵜飼」。幻想的でダイナミックな漁の様子が見学できる鑑賞屋形船は20時30分に出船します。所要時間約50分。
問い合わせ 原鶴温泉旅館協同組合
電話0946-62-0001
ファクス0946-62-2789
鵜飼に使うのは主に「ウミウ」。一度に約1キログラムの川魚を獲ることができるという
鑑賞屋形船は鵜飼をする笹舟と並んで川を下るので、魚を捉える瞬間を見ることができる
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