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平成17年5月31日

企画振興部調査統計課統計分析係

連絡先 内線2784,2783

直通643-3190

担当大森 ,藤田

 
 

 

 

 

県内経済の動向 −平成17年5月−

概要 

福岡県の景気は、消費は持ち直しの動きが緩やかになっているものの、輸出は増加基調にあり、生産は高水準で推移するなど、全体としては回復が続いている。

県内経済の先行きについては、輸出や生産の増加を背景に景気回復が続くと見込まれる。なお、原油価格や為替レートの動向等には留意する必要がある。  

 

1生産

鉄鋼業は3か月ぶりに前月を上回った。自動車は2か月連続で前月を下回ったものの、引き続き高水準の操業を続けており、一般機械工業も2か月連続して増加するなど、生産全体としては高い水準で推移している。

2貿易

輸出は、北米向けが3か月連続で前年を下回ったものの、アジア向けの輸出が好調に推移し、西欧向けが5か月ぶりに前年を上回るなど、全体としては2か月ぶりに前年を上回った。輸出額は過去最高。

3消費

全体としては、持ち直しの動きが緩やかになっている。

需要動向をみると、消費支出は弱い動きがみられるものの、勤労者世帯経常収入は底堅さがうかがえる。消費者マインドは横ばいの状況。  

販売動向をみると、百貨店販売額、スーパー販売額は、天候不順や地震の影響等もあり前年を下回ったが、家電販売額は2か月連続で前年を上回っており、新車登録台数も2か月ぶりに前年を上回っている。

4設備投資

平成16年度の投資額は製造業、非製造業ともに前年を上回る投資が計画されており、全体としても4年ぶりの増加が見込まれる。

5住宅投資

持家、貸家、分譲住宅のいずれも増加しており、全体として堅調に推移している。

6公共投資

公共工事請負額は、総じて低調に推移している。

7企業景況

大企業、中小企業とも前期に比べて改善の動きに一服感がみられ、企業の判断に慎重さがみられる。

8企業倒産

倒産件数は、低水準で推移している。

9雇用

完全失業率は高水準ながらも低下傾向で推移し、雇用者は前年同期と比べ8四半期(2年間)連続で増加している。また、新規求人数は引き続き前年を上回るなど、全体としては改善の動きがみられる。

10物価

消費者物価(生鮮食品を除く総合)は、5年3か月連続で前年を下回っている。

11金融

金融機関の貸付金残高は、前年を下回って推移している。

参考

○ 株式相場(日経平均株価)は、国内景気の「踊り場」脱出期待から3月に入り上昇していたが、米株式相場の先行き不透明感を背景に4月中旬から下落し、最近では積極的な買い要因が少ないことから11,000円前後で頭打ちという展開が続いている。

(日経平均株価 平成17年  5月 26日現在 11,027.94円)

(日経平均株価 直近6か月の最高値 平成17年 3月 9日 11,966.69円)

 

対米ドル円相場は、米景気の先行き不透明感への懸念や人民元切り上げの観測が後退したこと

などからドル高方向となり、直近では107〜108円台となっている。

(対米ドル円相場 平成17年5月 26日現在 108.07円)

 

長期金利は、日本景気の先行き不透明感やデフレの長期化懸念から低下し、直近では1.2%台と

なっている。

(新発10年国債利回り 平成17年5月 26日現在 1.240 %)

○ 原油価格は、需給ひっ迫感が拡大していることや投機資金の流入などから2月中旬以降上昇し、4月上旬に過去最高値をつけ、その後も高値圏で推移している。

(原油価格(WTI) 平成17年5月 25日現在 50.98ドル/バレル)

(最高値 平成17年 4月 1日 57.27ドル/バレル)

(平成16年 5月平均  40.28ドル/バレル)

(原油価格(ドバイ) 平成17年5月 26日現在   45.70ドル/バレル

(最高値 平成17年 4月 4日 50.20ドル/バレル)

(平成16年 5月平均 34.92ドル/バレル)

○ 米国株価  NYダウ  平成17年 5月 26日現在  10,537.60ドル

ナスダック 平成17年  5月 25日現在   2,071.24

注)景気動向の判断に用いている主要経済指標については、指標毎に調査・集計時点(月)が異なるため、複数の指標を比較して利用される際にはご注意下さい。