県内経済の動向 −平成17年3月−
概要
福岡県の景気は、輸出や生産は増加が続き、消費も持ち直しの動きがみられるなど、全体としては回復が続いている。
県内経済の先行きについては、福岡県西方沖地震の影響は限定的なものに止まるとみられ、輸出や生産の増加を背景に景気回復が続くと見込まれる。なお、原油価格や為替レートの動向等には留意する必要がある。
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1生産
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自動車は、鋼材不足により一時的に減産していたが、高水準の操業を回復し、鉄鋼業も堅調に推移するなど、生産全体としては増加基調が続いている。
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2貿易
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輸出は、北米向けが7か月ぶりに前年を下回ったものの、アジア向けが好調に推移しており、全体としても増加が続いている。
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3消費
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全体としては、持ち直しの動きがみられる。
需要動向をみると、勤労者世帯消費支出は弱い動きがみられるものの、勤労者世帯経常収入は底堅さがうかがえる。消費者マインドは改善している。
販売動向をみると、家電販売額は3か月ぶりに前年を下回っているものの、百貨店販売額は6か月ぶり、スーパー販売額は11か月ぶりに前年を上回っている。また、新車登録台数は前年並みで推移している。
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4設備投資
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平成16年度の投資額は製造業、非製造業ともに前年を上回る投資が計画されており、全体としても4年ぶりの増加が見込まれる。
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5住宅投資
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貸家が好調に推移するなど、全体としては増加が続いている。
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6公共投資
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公共工事請負額は、総じて低調に推移している。
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7企業景況
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大企業においては改善の動きが緩やかになっている。また、中小企業においては前期に比べて改善している。
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8企業倒産
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倒産件数は、2月は前年を上回ったものの、低水準で推移している。
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9雇用
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完全失業率は高水準ながらも低下傾向で推移し、雇用者は前年同期と比べ7四半期連続で増加している。また、新規求人数は引き続き前年を上回り、有効求人倍率も緩やかに上昇するなど、全体としては改善の動きがみられる。
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10物価
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消費者物価(生鮮食品を除く総合)は、5年1か月連続で前年を下回っている。
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11金融
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金融機関の貸付金残高は、前年を下回って推移している。
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参考
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株式相場(日経平均株価)は、国内景気の「踊り場」脱出期待から3月に入り上昇していたが、景気の先行き不透明感による米国株の下落を受け、このところ下落し、11,800円前後で推移している。
(日経平均株価 平成17年 3月 28日現在 11,792.30円)
(日経平均株価 直近の最高値 平成17年 3月 9日現在 11,966.69円)
○
対米ドル円相場は、米国でのインフレ圧力の高まりや金利先高観によるドル買いなどから、このところやや円安方向となり、直近では106円台となっている。
(対米ドル円相場 平成17年3月 28日現在 106.93円)
○
長期金利は、景気回復期待から3月に入り上昇していたが、中旬以降低下し、直近では1.3%台となっている。
(新発10年国債利回り 平成17年3月 28日現在 1.370%)
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原油価格は、需給ひっ迫感が拡大していることや投機資金の流入などから2月中旬以降再び上昇に転じ、このところ最高値圏で推移している。
(原油価格(WTI) 平成17年3月 24日現在 54.84ドル/バレル)
(最高値 平成16年 3月 16日 56.46ドル/バレル)
(平成16年
4月平均 36.62ドル/バレル)
(原油価格(ドバイ) 平成17年3月 28日現在 46.75ドル/バレル)
(最高値 平成17年 3月17日 47.50ドル/バレル)
(平成16年
4月平均 31.31ドル/バレル)
○ 米国株価 NYダウ 平成17年3月 28日現在 10,485.65ドル
ナスダック 平成17年3月 28日現在 1,992.52
注)景気動向の判断に用いている主要経済指標については、指標毎に調査・集計時点(月)が異なるため、複数の指標を比較して利用される際にはご注意下さい。