県内経済の動向 −平成17年2月−
概要
福岡県の景気は、消費は持ち直しの動きが緩やかになっているものの、輸出や生産は増加が続き、全体としては回復が続いている。
県内経済の先行きについては、輸出や生産の増加を背景に景気回復が続くと見込まれる。なお、為替レートの動向等には留意する必要がある。
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1生産
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鋼材不足による一時的な減産で自動車が大幅に減少したものの、鉄鋼業は堅調に推移し、一般機械も増加するなど、生産全体としてはおおむね増加基調が続いている。
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2貿易
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輸出は、アジア向けや北米向けが好調に推移しており、全体としても平成16年の輸出実績額が過去最高を更新するなど、増加が続いている。
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3消費
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全体としては、持ち直しの動きが緩やかになっている。
需要動向をみると、勤労者世帯経常収入は伸びが鈍化し、勤労者世帯消費支出は弱い動きがみられる。消費者マインドは弱まっている。
販売動向をみると、新車登録台数はおおむね前年並みとなっており、家電販売額は2か月連続で前年を上回っているものの、スーパー販売額や百貨店販売額は弱い動きが続いている。
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4設備投資
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平成16年度の投資額は製造業、非製造業ともに前年を上回る投資が計画されており、全体としても4年ぶりの増加が見込まれる。
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5住宅投資
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分譲住宅が減少しているものの、貸家は好調に推移するなど、全体としては増加が続いている。
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6公共投資
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公共工事請負額は、総じて低調に推移している。
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7企業景況
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大企業においては改善の動きが緩やかになっている。また、中小企業においては前期に比べて改善している。
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8企業倒産
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倒産件数は、12月は1年5か月ぶりに前年を上回ったものの、平成16年計は、平成4年以降で最少となっている。
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9雇用
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完全失業率は高水準ながらも低下傾向で推移し、雇用者は前年同期と比べ7四半期連続で増加している。また、新規求人数は引き続き前年を上回るなど、全体としては改善の動きがみられる。
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10物価
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消費者物価(生鮮食品を除く総合)は、5年連続で前年を下回っている。
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11金融
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金融機関の貸付金残高は、前年を下回って推移している。
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参考
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株式相場(日経平均株価)は、米国株高を受け12月中旬以降上昇していたが、このところ横ばいで推移している。
(日経平均株価 平成17年 2月 14日現在 11,632.20円)
(日経平均株価 直近の最高値 平成17年 1月 11日現在 11,539.99円)
○
対米ドル円相場は、米財政赤字などへの懸念から11月中旬以降上昇し102円から105円の間で推移していたが、日米の金利差などからこのところやや円安方向になっている。
(対米ドル円相場 平成17年2月 14日現在 104.97円)
○
長期金利は、景気調整局面が長引くとの見方から低下し、直近では1.4%台で推移している。
(新発10年国債利回り 平成17年2月
14日現在 1.445%)
○
原油価格は、需給逼迫感などから4月中旬以降急騰し最高値の更新を続けていたが、このところ落ち着きを見せている。
(原油価格(WTI) 平成17年2月 11日現在 47.16ドル/バレル)
(最高値 平成16年 10月 22日終値 55.17ドル/バレル)
(平成16年
4月平均 36.62ドル/バレル)
(原油価格(ドバイ) 平成17年2月 14日現在 38.85ドル/バレル)
(平成16年
4月平均 31.31ドル/バレル)
○ 米国株価 NYダウ 平成17年2月 14日現在 10,791.13ドル
ナスダック 平成17年2月 14日現在 2,082.91
注)景気動向の判断に用いている主要経済指標については、指標毎に調査・集計時点(月)が異なるため、複数の指標を比較して利用される際にはご注意下さい。