県内経済の動向 −平成16年5月−
概要
福岡県の景気は、輸出や生産は増加が続いており、消費も底固さがみられるなど全体としては回復しつつある。 県内経済の先行きについては、世界経済の回復の好影響により着実な景気回復が期待される。 |
1生産 |
自動車は高水準の操業が続いており、鉄鋼や一般機械も増加するなど、生産全体としては増加が続いている。 |
2貿易 |
輸出は、アジア向けが中国を中心に前年を上回って推移し、西欧向けも好調を続け、北米向けも5か月ぶりに前年を上回るなど、大幅に増加している。 |
3消費 |
全体としては横ばいで推移しているものの、底固さがみられる。 需要動向をみると、勤労者世帯消費支出はこのところ持ち直している。 販売動向をみると、スーパー販売額やコンビニエンス・ストア販売額は弱い動きとなっている。また、百貨店販売額(既存店)は土・日・祝日が前年に比べ少なかった影響などにより4か月ぶりに前年を下回っている。一方、新車登録台数は普通車が好調に推移しており、全体としても前年を上回っている。 |
4設備投資 |
投資額は中小企業においても増加の兆しがみられ、全体として持ち直しに向けた動きがみられる。 |
5住宅投資 |
持家は堅調に推移し、分譲住宅も大幅に増加したものの、貸家が7か月ぶりに前年を下回り、全体としては2か月連続で前年を下回っている。 |
6公共投資 |
公共工事請負額は、総じて低調に推移している。 |
7企業景況 |
総じて厳しく推移しているものの、動きの鈍かった中小企業においても改善の兆しがみられる。 |
8企業倒産 |
倒産件数は、前年を下回って推移している。 |
9雇用 |
新規求人数は引き続き前年を上回り、完全失業率も高水準ながらこのところ低下するなど、改善の動きがみられる。 |
10物価 |
消費者物価は4年5か月連続で前年を下回っている。 |
11金融 |
金融機関の貸付金残高はおおむね前年並みで推移している。 |
参考
○
株式相場(日経平均株価)は、景気回復期待の高まりを背景に上昇していたが、米国と中国の金融引締め観測の高まり等を受け下落し、このところ1万1000円前後で推移している。
(日経平均株価 平成16年
5月 28日現在 11,309.57円)
(日経平均株価 直近の最高値 平成16年 4月 26日現在
12,163.89円)
○
対米ドル円相場は、4月中旬以降下落し、110円から115円の間で推移している。
(対米ドル円相場 平成16年5月28日現在 110.42円)
○ 長期金利はおおむね横ばいで推移し、このところ1.5%前後となっている。
(新発10年国債利回り 平成16年5月28日現在 1.510%)
○ 米国株価 NYダウ 平成16年5月28日現在 10,188.45ドル
ナスダック 平成16年5月28日現在 1,986.74
注)景気動向の判断に用いている主要経済指標については、指標毎に調査・集計時点(月)が異なるため、複数の指標を比較して利用される際にはご注意下さい。
※「県内経済の動向」は奇数月に公表します。また、偶数月には、経済指標を最新データに更新し、速報として公表します。