県内経済の動向 −平成15年11月−
概要
福岡県の景気は、消費はおおむね横ばいで推移しているものの、輸出は増加基調で生産も上昇の動きがみられるなど全体としては緩やかな改善の動きが続いている。 県内経済の先行きについては、アメリカ経済の回復により好影響が期待されるが、今後の株価・為替レートや海外経済などの動向に十分留意する必要がある。 1生産 自動車は高水準の操業が続いており、鉄鋼や一般機械も好調に推移するなど生産全体としては改善の動きが続いている。 2貿易 輸出は、アジア、西欧向けが前年を上回っており、全体としては増加基調となっている。 3消費 全体としてはおおむね横ばいで推移している。 需要動向をみると、勤労者世帯消費支出は3か月連続で前年を下回っている。 販売動向をみると、スーパー販売額は弱い動きが続いており、百貨店販売額はおおむね横ばいとなっている。新車登録台数は、普通車が好調なことから、全体としても増加傾向にある。 4設備投資 今年度の投資額は3年ぶりに前年度を上回る見込みである。また、建築着工床面積が4か月連続で前年を上回るなど、持ち直しに向けた動きがみられる。 5住宅投資 持家や分譲住宅が堅調に推移しており、全体としても2か月連続で前年を上回っている。 6公共投資 公共工事請負額は、前年を下回って推移している。 7企業景況 総じて厳しく推移しているものの、改善の兆しがみられる。 8企業倒産 倒産件数は、2か月連続で前年を下回っている。 9雇用 完全失業率が高止まりで推移しているものの、有効求人倍率は緩やかに上昇し、新規求人数も引き続き前年を上回るなど一部に改善の動きもみられる。 10物価 消費者物価は3年11か月連続で前年を下回っている。 11金融 金融機関の貸付金残高はおおむね前年並みで推移している。 参考 ○ 株式相場(日経平均株価)は、4月末以降上昇基調で推移し、10月20日に年初来最高値(終値)を記録したものの、その後下落し11月17日には約3か月ぶりの1万円割れとなった。 (日経平均株価 11月20日現在 9865.70円) (直近の日経平均株価の最高値 10月20日現在 11161.71円) ○ 対米ドル円相場は、8月上旬以降の円高傾向の中で、9月下旬以降一段と円高が進み、108円台から109円台で推移している。 (対米ドル円相場 11月20日現在 108.92円) ○ 長期金利は、9月上旬にかけて1.6%台まで上昇したが、その後低下し、概ね1.2%台から1.5%台で推移している。 (新発10年国債利回り 11月20日現在 1.330%) ○ 米国株価 NYダウ 11月20日現在 9619.42ドル ナスダック 11月20日現在 1881.92