県内経済の動向 −平成15年5月−
概要
福岡県の景気は、輸出は増加基調が続き、生産も改善の動きがみられるものの消費は引き続き横ばいで推移するなど、改善の動きは依然緩やかである。 ・ 生産については、自動車は好調な操業を続けており、鉄鋼業も前年を大幅に上回るなど生産全体としては改善の動きがみられる。 ・ 輸出は、西欧向けが大幅に増加しており、アジア向けも堅調を維持するなど全体としては増加基調が続いている。 ・ 消費については、全体としては横ばいで推移している。 需要動向をみると、勤労者世帯消費支出は前年とほぼ同水準で推移している。 販売動向をみると、百貨店販売額はおおむね横ばいで推移しており、スーパー販売額は弱い動きが続いている。新車登録台数はこのところ増加基調で推移していたが、4か月ぶりに前年を下回った。 ・ 設備投資は、卸売・小売など一部の業種では積極的な投資がみられるものの、電気機械などでは減少していることから、全体としては前年度並みで推移している。 住宅投資は、分譲住宅や持家は前年に比べ減少しているものの、貸家は増加基調が続いている。 公共工事請負額は、大型工事の着工がみられるものの、全体としてはおおむね前年並みで推移している。 ・ 企業景況は、おおむね横ばいとなっており、総じて厳しく推移している。 ・ 雇用情勢は、全体としては厳しい状況が続いているものの、新規求人数が前年を上回り、また完全失業率も前期より低下するなど改善の動きがみられる。 ・ 倒産件数は、このところほぼ横ばいで推移している。 県内経済の先行きについては、株価の動向や重症急性呼吸器症候群(SARS)によるアジア経済への影響など不透明感がみられることから今後の動向に十分留意する必要がある。 |
参考
○ 株式相場は、需給懸念などを受けて一時89年以降の最安値を更新した後、このところ8,000円(日経平均株価)近傍で推移している。
(日経平均株価 5月23日現在 8184.76円)
○ 対米ドル円相場は年度入り以降4月下旬まで120円近傍で推移した後、円高傾向で推移している。
(対米ドル円相場 5月23日現在 117.25円)
○ 原油価格は、OPEC総会で大幅な減産が行われるとの見通しから4月中旬に一時強含んだが、減産幅が予想を下回ったこと等から下落した。5月に入ってOPECの減産観測が再浮上したこと等から上昇基調で推移した。
○ 米国株価 NYダウ 5月23日現在 8601.38ドル
ナスダック 5月23日現在 1510.09