県内経済の動向 −平成15年1月−
概要
福岡県の景気は、輸出が引き続き増加するなど改善の動きが続いているものの、生産が横ばいで推移するなどそのテンポは緩やかになっている。 ・ 輸出は、自動車や鉄鋼が前年を大幅に上回って推移しており、アジア向けを中心に増加が続いている。 ・ 生産については、自動車は好調な操業が続き鉄鋼業も堅調であるものの、電気機械には減速感が生じるなど生産全体としては横ばいで推移している。 ・ 消費については、全体としては横ばいで推移している。 需要動向をみると、勤労者世帯消費支出は2か月連続で前年を下回っている。 販売動向をみると、百貨店販売額は横ばいで推移しているが、スーパー販売額は2か月連続で前年を上回っている。新車登録台数は、小型車の増加が続いているが、普通車の不振などにより総数では4か月ぶりに前年を下回っている。 ・ 設備投資は、特に中小企業において投資を抑制する動きが強く、全体としては引き続き低調に推移している。 住宅投資は、持家は7か月ぶりに前年を上回ったものの、分譲住宅が大幅に減少するなど弱めの動きが続いている。 公共投資は総じて低調に推移している。 ・ 企業の景況感は、大企業では改善の兆しがみられるものの、中小企業は依然として厳しく推移している。 ・ 雇用情勢は、有効求人倍率が上昇するなど明るい兆しが窺えるものの、失業率は高水準で推移し厳しい状況が続いている。 ・ 企業倒産件数は、前年を下回る水準で推移している。 県内経済の先行きについては、輸出の増加による内需への波及効果が期待されるが、国際情勢の先行き懸念や我が国の株価の低迷など不透明感が高まっており、今後の動向に十分留意する必要がある。 参考 ○ 株価(日経平均)は、昨年12月中旬に89年以降の最安値を更新した後、12月下旬から8千円台半ばで推移している。 (1月27日現在 8609.47円) ○ 円為替相場(対米ドル)は、12月上旬に125円台まで下落したが、12月末には119円台となり、1月以降は117円台から120円台で推移している。 (1月24日現在 117.83円) ○ 原油価格は、イラク情勢の緊迫化に加え、ベネズエラのゼネストの長期化から大幅に上昇した ○ 米国株価 NYダウ 1月24日現在 8131.01ドル ナスダック 1月24日現在 1342.14